この本は、あのジョン万次郎こと、中浜万次郎に関する小説だ。小説と言っても、ジョン万次郎についていろいろ調べて書かれているので全くのフィクションではない。
鎖国状態の江戸時代に生きた一人の猟師が外国人と出会い異国の地で生活していく姿を描いている。異なる環境に適応する柔軟な思考能力、好奇心と、勤勉さが三位一体となり、その上時代の変化が万次郎に味方して、幕末から明治にかけて活躍できた。
ところどころに万次郎直筆のイラストが載っていて興味深い。この本を手にするきっかけは、新宿にある紀伊国屋書店新宿南店の洋書コーナーをブラブラしていた時のことだ。青少年向けのペーパーバックコーナーに行くと平積みになっていた本があり、手に取るとあのジョン万次郎に関する小説とあり興味がわいて買って読んだ。
万次郎を助けて、養子にしてアメリカに連れて行き、学校にも通わせたホイットフィールド船長の器の大きさには感動せずにはいられない。それに、両家の子孫は今でも交流を続けているという話を聞いて感動が2倍になった。
ちなみにこの本は、全米図書館協会(ALA)が優れた児童書に贈るニューベリー賞の2011年度オナーブックに選ばれている。選ばれるだけの理由があるからなあ。
ジョン万次郎について
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%B3%E4%B8%87%E6%AC%A1%E9%83%8E
ジョン万次郎資料館
http://www.johnmung.info/
WHITFIELD-MANJIRO FRIENDSHIP SOCIETY, INC.
http://www.whitfield-manjiro.org/
- 感想投稿日 : 2013年3月31日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2013年3月31日
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