著者も取り上げているが「切れ」で浮かんでくるのがビールのCMだ。「切れ」と「コク」はビールを語るうえで切っても切れないキーワードになっている。そんな「切れ」を日本文化の様々な面から取り上げたのが今回の本だ。
出版されたのは、1986年。もし21世紀版の「切れ」の構造が出版されたらどんなことが付け足されているのか気になる。怒る状況を「切れる」と言い表したり、社会と隔絶してひきこもると言ったことも「切れる」のうちに入るか。
神道、能、俳句、浮世絵、明治時代の近代建築、京都の竜安寺の庭園などを例に挙げて「切れ」について考察している。「切れ」というテーマを導くにあたって、これだけ多くの素材を使って語っているのには驚いた。「切れ」と日本文化のつながりが浮き彫りにされていく。
この本は、神保町で開催されていた古本まつりで購入したものだ。偶然見かけて買った。異性とお金は追うと逃げると言うが、本も追うと寄ってこないようだ。構えずにぶらぶら歩いて見て回ったから発見できたのかな。
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- 感想投稿日 : 2013年11月4日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2013年11月4日
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