「超」文章法 (中公新書)

著者 :
  • 中央公論新社 (2002年10月1日発売)
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わりといい本
 前原政之さんがブログ(https://note.com/mmaehara316/n/n09f79a3cbb18)で文章読本としてすすめてゐて、松林薫『迷わず書ける記者式文章術』につづけて読んだ。
 わりと実用文を書くうへで参考になる。特に5章以降の、文章についての記述は役に立つ。4章のキツネ文の指摘も重要。ポストモダンや現代思想は、まさにキツネ文のやうに権威主義的なところがある。
 ただしすべてに同意するわけではない。4章の比喩のくだりはいただけない。比喩が仰々しくて、私は逆にぴんとこなかった。
 ほかにも、どうやら野口は通俗的な偉人の言葉とか、小説とか映画が好きらしく、冒頭からさういった文学趣味の箴言・格言・寸言の引用が多い。三島への信頼も同じ理由からだらう。私は鼻につくだけの不要な言葉だと思ってゐる。

【追記】『ライティングの哲学』では千葉雅也や読書猿を含めた4人が、さんざん書けない書けないと悩みながらアウトラインプロセッサについて議論してゐる。それを読んだあとでこの『「超」文章術』を読んだら、アウトラインプロセッサは書きにくいと書いてあって、思はず笑ってしまった。考へ方の違ひがはっきりと表れてゐる。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2023年2月4日
読了日 : 2023年2月4日
本棚登録日 : 2023年2月4日

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