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ちいさい言語学者の冒険――子どもに学ぶことばの秘密 (岩波科学ライブラリー)
- 広瀬友紀
- 岩波書店 / 2017年3月18日発売
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鹿の王 水底の橋 (角川文庫)
- 上橋菜穂子
- KADOKAWA / 2020年6月12日発売
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ことばと算数 その間違いにはワケがある (岩波科学ライブラリー 312)
- 広瀬友紀
- 岩波書店 / 2022年7月14日発売
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ロシア点描 まちかどから見るプーチン帝国の素顔
- 小泉悠
- PHP研究所 / 2022年4月18日発売
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ムラブリ 文字も暦も持たない狩猟採集民から言語学者が教わったこと(集英社インターナショナル)
- 伊藤雄馬
- 集英社 / 2023年2月24日発売
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奇書の世界史 歴史を動かす“ヤバい書物”の物語
- 三崎律日
- KADOKAWA / 2019年8月23日発売
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神聖自然学 (Fantastic Dozen 2)
- J.J.ショイヒツァー
- リブロポート / 1990年10月1日発売
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ピダハン――「言語本能」を超える文化と世界観
- ダニエル・L・エヴェレット
- みすず書房 / 2012年3月22日発売
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アマゾン川流域に住む少数民族へ聖書の普及を試みる伝道師というだけでおもしろいが、アマゾン川流域の自然の脅威に晒されながらピダハン達の"文明"にショックを受け、それでも諦めずにフィールドワークに励み、彼らの価値観を理解するに至って感銘を受け最後には棄教するというドラマ。その軌跡が、言語学的な発見の感動と考察と共に語られていくので、もう最後の章に語られる信仰を棄てる段の言葉の数々の迫力が凄い。ずっと(心の中で)線引いてた。
図書館で借りて読んだがこの本は手元に置いて何度でも読みたい。
2023.5.14読了
2023年5月14日
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人間たちの話 (ハヤカワ文庫JA)
- 柞刈湯葉
- 早川書房 / 2020年3月18日発売
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鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。(新潮文庫)
- 川上和人
- 新潮社 / 2020年7月1日発売
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鹿の王【全4冊 合本版】 (角川文庫)
- 上橋菜穂子
- KADOKAWA / 2017年7月25日発売
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架空の世界を舞台としているが、現実世界や既存の文化、理(ことわり)をベースに練られているので、なんとなく既視感を覚える世界観。むしろ固有の国や文化を使わないことで、病や医療、人の暮らし、自然との関係性などに純粋な思いを馳せることができるようにしたのかな、と。絶妙な距離感。
一方で自然や暮らしの描写が優れているので、かわるがわる登場する異文化にいちいちワクワクして楽しんだ。外国を旅しているような心地だったし、森の中を行く時は登山をしている時の情景を思い出した。
私にとってのクライマックスはヴァンとホッサルの邂逅(4巻冒頭)。最後にヴァンはホッサルに感謝するけど、ホッサル側がヴァンとの対話で得たものは、その血や飛鹿に関する知識などの実利的な情報以上の意味があったと思う。あんな徹夜で人の生死について語り合える出会いがあったら、そりゃお互い人生変わるだろうと思うし、素敵なシーンだなと思う。ここに十分な時間と紙幅を割いてくれたので満足した。
なので正直、その後の玉眼来訪とか黒幕の判明とか黒狼熱の行く末とかについては、もう物語としてあまり気にならなくなってて笑 エピローグとしてサラッと読了。
個人的にはホッサルのキャラクターが魅力的すぎた。高貴な生まれで頭がよくて、正義感や信念があって政治力もそこそこあるだけだったらただのイケメンなのに、身内といる時はクソ生意気で傲慢で意地悪な口の悪い若造とかいう。年上の従者マコウカンとの主従関係が最高。いつか張り倒されてほしい。
2023年2月26日
百万回書かれてる感想だと思うが、大史萌え〜
智子の開発シーンだけは想像力が及ばず読みづらかったが、冒頭の文革シーンからガッツリ引き込まれた
SFというジャンルにこだわらず純文学と捉えてます
2021年1月16日
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死に山 世界一不気味な遭難事故《ディアトロフ峠事件》の真相
- ドニー・アイカー
- 河出書房新社 / 2018年8月28日発売
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ディアトロフ峠の遭難事件は、冷戦下のソ連、ウラル工科大学の山岳部の経験豊富な学生たちが、ウラル山脈の北側で雪山登山中、一夜にして全員が遭難死するというもの。
著者、当事者、遭難発覚後の遺族や捜索者たち、という3つの視点と時空を行き来しながら、事件の核心に迫る。
この多視点の描写、フィクションではよく見かける手法だったが、私の経験ではノンフィクションでは初めて。著者が「死に山」の謎めいた真相に近付けば近付くほど、当事者たちの山行記録が最期の幕営地であるディアトロフ峠に近付けば近付くほど、引きずりこまれるような感覚で読んだ。
事件そのものが興味深いが、当時のソ連の若者たちの登山文化とはどんなものだったのか、またそれをフロリダ生まれの何の縁もない筈の現代アメリカ人が紐解いていく過程も、冒険譚としておもしろい。
何故こんなにもこの事件に惹かれてしまうのかと自問自答しながら調べ物を進めていく著者の胸中。
ロシア人たちとの「異文化コミュニケーション」の様子。
当事者の若きトレッカー達の行動をかなり精細に記述しながら、彼らの旺盛な冒険心や興奮、厳しい自然に挑む逞しさに対する憧憬と、若者らしい姿の描写にはっきりと親愛が感じられる。
事件の核心に迫ると書いたが、本書の主旨は、事件の真相解明だったのではなく、著者を含め事件に関わった人々の物語という印象だ。
タイトルと書影から、もっと陰惨でスリリングなノンフィクションものかと思っていたが、知的好奇心を満たしつつ、思いがけず暖かみのある読書体験となった。
2020年9月17日
2019年4月27日