禅僧と戦国武将のかかわりについて書かれた本。禅僧が、戦国武将をどう教育したか、というのを知りたくて読んだ。
名だたる戦国武将の生い立ちをみると、臨済宗の寺に預けられて育ったケースが多い。また、戦国武将のブレーンは禅僧が多い。
戦国武将たちは、禅で精神や徳(武士としての行儀や分別)を涵養し、禅僧が語ったり、書いたりした君子論(領主としてのあるべき姿)から、仁政を施すことの重要さを学んだ。仁政の根本は儒学。四書五経、六韜、三略などを学び、実践につとめた。禅僧が教育者たりえたのは、儒学の基礎である四書五経に通じていたため。
戦国時代の禅僧は教育者としてだけでなく、軍師、易者、陣僧侶 外交僧 医僧としても活躍した。敵国も自由に往来できたので情報も持っていた。大名、戦国武将に人気だったのが、坂東の大学としてヨーロッパにまで名を知られた足利学校の出身者。足利学校は、名前は学校だが、禅林(禅宗寺院)で、校長以下、教授陣がすべて禅僧で、入学に際しては、剃髪するなど、僧形になる必要があった。ただし、参禅は行われず、漢籍中心の講義が行われていた。生徒数は、全国から三千人。足利学校の教育は幅広く、漢学、儒学、天文学、医学。占星術を学ぶ人も多かった。
講義されていた漢籍 三注 古注蒙求・千字文注・胡曾詩註
四書 大学・中庸・論語・孟子
六経 詩経・書経・礼経・楽経・易経・春秋経
列子 荘子 老子 史記 文選
メモ
家康の成人後の愛読書 論語 中庸 史記 漢書 六韜 三略 孔子物語 貞観政要
武芸 弓 鉄砲 馬 刀 槍 柔術 の六芸
これに 禅と儒 で文武両道 と呼ぶ
- 感想投稿日 : 2013年2月7日
- 読了日 : 2013年2月6日
- 本棚登録日 : 2013年2月6日
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