そこらの日本人より日本人らしい、中国、韓国、台湾出身の3者による鼎談。「日本では、お前は悪いと言われてもあまりこたえないけれど、お前は汚いと言われたらこたえるんですね」と書いてあったが、よく分かってるなと感心。5章から読むと、著者たちが、どういう経緯で日本に辿り着いたかわかるので読みやすいと思う。
日本は神道の国で、中国、韓国は儒教の国。後者は、天命思想によって、統治者が変わるたびに、歴史もかわっていった。日本は神道の国ということもあって、国や文化の連続性が保たれてきた。ここからくる価値観の違いはかなり大きいと思った。
反日について、中韓両国とも仮想敵を必要とする政治上の理由があることは共通しているが、中国は、共産党維持のための政策。中国共産党は常に善で、悪は、政治的な必要に応じて変わる。中国の若者が、南京虐殺は知ってるのに、文化大革命や天安門事件についてよく知らないのがこれをよくあらわしている。
韓国の反日は民族主義。朝鮮人の民族精神の核は、恨の精神(うまくいかないことを、境遇に求め、それを固めて、成功の方向に歩んでいくことでそれを溶かしていくこと)で、被害者意識を歴史的に抱えてきた国民性がある。歴史的、地政学的、文化的に彼らなりの必然性があってのことと思うが、こういう国が隣国にあるのは本当に迷惑だ。
そして、日本の左翼知識人や一部メディアが反日の共犯者として両国に味方してきた。呉さんと石さんは、故国では親日派で売国奴と呼ばれているようだが、日本という言論の自由が保証された国で偽善的に平和を語る売国奴とはわけが違うということがよくわかった。
- 感想投稿日 : 2013年3月11日
- 読了日 : 2013年3月11日
- 本棚登録日 : 2013年3月11日
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