森見ワールド全開な書簡体小説。ユーモアに溢れ、本気でふざけている感じが遺憾なく発揮された傑作。
大学院の守山一郎は愛すべきヒネクレ者で寂しがり屋。そんな守山が地元京都から、能登半島にある実験所に飛ばされた。半年間移住した先での文通武者修行物語。
一つの出来事を別々の人に宛てた手紙を通して多角的に見ることで、全体がパズルを組み立てているかのようにだんだん明らかになっていく感じが楽しかった。
ラストに何故文通に拘るのかが分かり、読後はちょっぴり甘酸っぱい気持ちになった。
昔、上京し一人暮らしを始めた時、寂しくて学生時代の友人達に手紙を送りつけてた事を思い出した。守山一郎の気持ち、何となく私は分かる笑。読後大切な人に手紙を書きたくなる小説です。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2024年6月10日
- 読了日 : 2024年6月10日
- 本棚登録日 : 2024年6月10日
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