三浦和義事件 (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店 (2002年10月25日発売)
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タマフル読書特集(2009.3.7 O.A.)宇多丸推薦。

いみじくも宇多丸が番組で述べていたように、国民裁判員制度が施行する前夜であるからこそ読み返すべき一冊だ。

ロス疑惑に於いて三浦和義が黒なのか白なのかは結局闇の中ではあるが、最高裁でも無罪判決とでたのは事実である。
13年間に及ぶ警察・検察からの執拗な時には脅迫めいた取調べ、偏見と予断にみちたマスコミ報道による誹謗中傷などそのストレスは計り知れない物がある。

丹念に事実関係を洗い出し、関係者からの証言も取材し、中立的な立場で書かれたこのドキュメントを読んでも果たしてそれが冤罪であったかと断ずる自信は評者にはない。

ここに国民裁判員制度のそこの無い闇のような恐ろしさを感じる。

特に感情論から先走った結論ありきの推定をもとに集団ヒステリー状態になっていく当時のマスコミ・日本人の"善意"の恐ろしさには身の毛もよだつ想いだ。

結局、軍国主義の賜物=国家総動員法に代表される全体主義、集団ヒステリーから抜け出せていないのではないか。
折りしも昨日、日本テレビ社長が虚偽の情報を放送した責任を取って辞任を表明した。
目先の視聴率ために大衆好みのセンセーショナルな情報をてんこ盛りにした結果が今の"マスゴミ"という蔑称に繋がっているのだと思う。


三浦和義氏がロスアンゼルスにて自決(他殺説も?)した今、改めてこの事件を振り返り考え直す時期に来ているのではないか。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 本・雑誌
感想投稿日 : 2018年11月20日
読了日 : 2009年3月17日
本棚登録日 : 2018年11月20日

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