からくりからくさ (新潮文庫)

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本棚登録 : 4950
レビュー : 522
著者 :
りかさん  未設定  読み終わった 

『りかさん』の主人公「ようこ」が大人になり、「蓉子」として描かれていた。小さい頃から好きだった染物を続けていたり、人を慈しみ包み込むような暖かさが、「ようこ」だと分かる要素だった。

『りかさん』はようことりかさんの物語で、最後にマーガレットの娘と三人の共同生活が描かれていましたが、読んだ時点ではなんで共同生活なんて送ってるんだろう、なんでこんなややこしい関係なんだろうと思っていたことがやっと繋がりました。

『からくりからくさ』ではたくさんの植物の名前が出てきて、スマホを片手に調べながらじゃないとなかなか情景が浮かばなくて大変でした。


「色は移ろうものよ。花の色は移りにけりな、いたずらに、ってらいうじゃない。変わっていくことが色の本質であり、本質とは色である」

この与希子の言葉は花と染色の関係だけではなくて、人間関係や人の心情も表してるんじゃないかなぁとも思いました。四人の共同生活の中でそれぞれに抱える問題があって、でもそれが関わりあうことによってまた違う色が出てくるような…。


この本は情報量が多かったけど、その分考えることも多くて、特に龍神と蛇の関係は私が大学時代に研究したことにも通ずるところがあったので面白かったです。
能の講義も受けていたので能面に関しての話もすごく興味深かった。

作家さんってすごいなぁと思ってしまう。
知識もたくさんあるし、それを物語に取り入れてより内容の濃いものにできるからすごい。
何回読んでも飽きなさそうだし、読むたびに新しい気づきがでてきそう。

レビュー投稿日
2019年6月8日
読了日
2019年6月8日
本棚登録日
2019年6月7日
3
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