スイートリトルライズ (幻冬舎文庫 え 4-2)

著者 :
  • 幻冬舎 (2006年8月1日発売)
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感想 : 531
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「嘘」がキーワードになっている小説。
夫婦の瑠璃子と聡がそれぞれ不倫をするが、どちらの視点で考えるかによって見えてくるものが違ってきました。

まず、瑠璃子視点で考えてみると
「なぜ嘘をつけないか知ってる?人は守りたいものに嘘をつくの。あるいは守ろうとするものに。」

→「嘘」をつくのはその相手を愛しているということなんじゃないかと思いました。瑠璃子は不倫相手の春男や友人のアナベラには真実を告げている、対照に聡には真実を話さない。愛する人にだけ嘘をつく、それがスイートなんだそう。


聡視点で読んでみると 、
不倫相手の「しほ」は素直で嘘がない。
対照的に瑠璃子は嘘を持っている。
嘘の無いしほと一緒にいることによって、嘘を持つ瑠璃子を愛していると実感できるようになる。


不倫によって嘘があるから聡を愛せる瑠璃子と、
不倫によって嘘を持つ瑠璃子の方が良いと愛を実感する聡。この二人にとって「嘘」は必要不可欠で、それこそ二人が愛し合う理由なのだと思った。だから絶対この二人は不倫をやめないと思う(笑)




不倫ものでした。『四月になれば彼女は』という川村元気さんの小説を読んで「愛」とはなにかを考えさせられ、「恋愛系の本読みたいなぁ」と思っていて読んだ本です。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2019年6月15日
読了日 : 2019年1月10日
本棚登録日 : 2019年5月5日

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