青春ミステリ。
舞台は田舎の高校。バレー部マネージャーで男子生徒の憧れの存在である森下栞の死は、不自然な点を残しつつも密室と遺書により自殺の線で捜査されかける。バレー部の仲間や親友、クラスメイト達は疑念を抱き、独自に捜査や推理を始める。
終始痛みを伴う悲壮の物語だが、その中にどこか青春の爽やかさやもどかしさ、淡さや熱さを感じる。各章ごとに語り手が変わり、各々の想いが交錯し、構築されては否定される推理の積み重ねが徐々に真相に迫る。
終章にかけて全てのピースが揃い、導かれる唯一のロジックは本格のそれで、全編が無駄なく計算され尽くしていることに気づく。
途中の「奇蹟」の推理には笑ってしまうのだが、個人的には大好き。ラストシーンも好みだった。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ミステリ・推理
- 感想投稿日 : 2018年9月26日
- 読了日 : 2018年9月25日
- 本棚登録日 : 2018年9月23日
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