はじめてのゾンビ生活 (1) (電撃文庫)

  • KADOKAWA (2024年5月10日発売)
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感想 : 5
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 ラノベなのだが、SFテイスト満載のショートショート連作短編集。というか、これはレイ・ブラッドベリの『火星人年代記』のゾンビ版とでも言うべき作品である。西暦2100年代から3100年代までが描かれる。

 吸血鬼が人類を圧倒し、多数派になるという作品は、過去にいくつかあったが、ゾンビが多数派になるという物語は初めてではないか。

 なかなか設定はが凝っており、ゾンビは人間を喰らうわけではなく、食糧は腐った食品である。したがって、チーズや納豆などの「発酵」食品は食べることができるのだ。バレンタインデイーには「チョコ」の替りに「チーズ」を送るようになる。そして、その特性から宇宙開発(月面、火星)に重用されることになる。まあ一種の隔離政策とも言えるが。
 
 しかし、ゾンビは既に「死亡」しており、生殖して子孫を残すことは不可能。そして旧来の人類は、いつしか滅びの道をたどることに…

 本書はラノベとはいえ、侮れない作品である。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: SF・ファンタジー
感想投稿日 : 2025年3月19日
読了日 : 2025年3月19日
本棚登録日 : 2025年3月19日

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