彗星の核へ〈下〉 (ハヤカワ文庫SF)

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感想 : 2
3

30年以上の積読本。上下本で結構なページ数がある。 #日本SF読者クラブ
 ハレー彗星が地球に接近した1986年に出版された。次回の接近時、2061年にハレー彗星に400人の調査隊を送り込む。そして彗星の核の地下に基地を作り、交代で冷凍睡眠を繰り返し、76年後の帰還に備える。

 当然ながら平穏無事に事は過ぎない。そもそも彗星に乗り込んだ人間は、ある意味「世捨て人」なのだ。政治的、思想的、経済的な問題や迫害から逃れてきた人々がほとんど。さらに、遺伝子操作を受けた人類「パーセル」と従来からの人類「オーソ」の対立。ここは「機動戦士ガンダムSEED」を髣髴させる(こちらのほうが古いが)。厄介なことに、彗星由来の生物による深刻なトラブルも起きる。さらに調査隊内のグループ間の対立が激化し分離と紛争が起こる。彼らの運命やいかに? ネトフリかなんかの連続ドラマになりそうだ。

 本作は、三人の登場人物の視点で交互に物語が進む。二人で書いているからではないだろうが、いささか話が長く飽きてくる。調査隊のグルーブ(民族?国家?)については、複雑なうえ説明不足でわかりにくい。しかし、ドローン、有機コンピューター、AI、遺伝子工学といったSFガジェットの類は、30数年前に書かれた作品とは感じさせないものがある。

 なお、原題は"Heart of the comet"。Nucleusではところがミソかもしれない。「彗星の心(しん)」。英語は詳しくないですけど。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: SF
感想投稿日 : 2021年2月19日
読了日 : 2021年2月19日
本棚登録日 : 2021年2月19日

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