ソフィー (創元推理文庫)

  • 東京創元社 (2009年11月20日発売)
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本棚登録 : 282
感想 : 42

 イギリスの田舎町で、少年は賢く大人びた姉を暮らしている。父はほとんど家には寄りつかず、母親は二人には全く関心を払わない。
 今、成長した二人は、過去を語りあう。

 執拗までに過去と現在が交錯する手法に、戸惑う。
 そして、読後にはその戸惑いが驚愕にかわる。

 不思議な物語だ。
 あくまで少年の視点なので、肝心なところがわからない。姉が本当は何を考え、何をしようとしていたのかとか、両親の存在感のなさの理由とか、そういうむしろ物語の核になる部分は、曖昧のままになっている。

 物語はすでに閉じている。
 だから、理由はもう必要はない。

 まるで、ドームにうつる星空のようだ。
 偽物の空。閉じられているのに、星は遠くまたたく。
 子供時代の郷愁は、多分、そんな風なものなのだろう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 翻訳作者名 ハ~ホ
感想投稿日 : 2010年6月26日
読了日 : 2010年6月26日
本棚登録日 : 2010年2月26日

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