初見のときは「女子供に媚びたゾンビ映画を作りやがって……」と憤慨したのですが、この映画の見せ場は切り株やゴアじゃないということを納得して再鑑賞するとあら不思議、なかなかハッピーでハートフルなよい映画です。内容はというと、主人公のゾンビ君の名前がR、ヒロインがジュリーであることからもわかるように、ストレートにロミオとジュリエット。エピソードにもモチーフにも、わかりやすいオマージュがちりばめられております。ふだんなら愛がすべてをよいほうに導く的展開には「ケッ」と思ってしまうひねくれ者の私ですが、この名作が下敷きになっているため、ラストの「死」や「愛」の扱い方がすごくすんなり腑に落ちました。無表情、口下手という設定(ゾンビなので)ながら、微妙な表情や目の芝居でRを演じるニコラス・ホルト君もたいへんキュートで魅力的であります。

よくてDVDスルーだと思っていたオーブリー・プラザ&デイン・デハーン主演作がカリコレ2015にてピックアップ、とりあえず劇場で鑑賞することができました。内容はラブコメホラー…? 死んだはずの彼女がゾンビとなってよみがえるという、大ざっぱにいえば「ウォームボディーズ」の男女逆転版。ジョン・C・ライリーやモリー・シャノンなど脇を固めるキャストがなにげに豪華で、お芝居はとても安定していました。ただ内容はちょっと散漫。ゾンビコメディというのはすでにひとつのジャンルとして確立されていると思うのですが、そこにどのさじ加減でラブを入れるのかが定まっていない感じ。暴走していくオーブリー・プラザと、それに引っ張り回されるデイン君というのがこの映画の笑いの要素なんですが、同時にこの二人はラブ・ストーリーの部分も展開させなくてはいけないわけで。笑いで軽く行くのかラブの切なさで押すのかがシーンごとに行ったり来たり、結果、映画としてはもうひとつものたりない仕上がりとなってしまいました。それでもデイン君ファンであれば、出ずっぱり&サービスカットも多いので楽しめると思います。ゴアな描写はほとんどないので、ホラーが苦手な人でも大丈夫かと。またオーブリー・プラザの芝居には相変わらず半端ないキレがありますので、彼女のファンにもおすすめです。

今のところシリーズ最高傑作。なんといってもこのシリーズの、これまで一番もどかしった点「『大作戦』なのにイーサンしか活躍しない」という点が解消されているところが素敵。今回はちゃんとしたチーム戦です。しかもメンバーそれぞれに物語が用意されています。さらにそのメンツがサイモン・ペッグにジェレミー・レナー、紅一点のポーラパットンも魅力的。たっぷりのアクションシーンはシチュエーションもバラエティに飛んでいて文句なしだし、敵ながらレア・セドゥのコンパクトグラマーっぷりもたまらない。ストーリーはまあ、ちょっとトンデモですが……この手の映画はやや荒唐無稽なくらいでいいのではないでしょうか。前作のイーサン・ハントの奥さんのエピソードをうまく利用していたのも好印象でした。

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監督はJJエイブラムス。ストーリーそのものはそれなりにひねりがあります。アクションもなかなか。でもこれも前作同様、ミッションインポッシブルじゃない。ミッションインポッシブルといえばインポッシブルなミッションをクリアするからミッションインポッシブルなんですが、こちらは完全にイーサンハントと奥さんの話となっております。トラブルをクリアする課程がややチーム戦になってきたのは嬉しかったのですが……トムクルーズも含めてみんな情に流されがちで、言動、行動がどうもプロのスパイっぽくなかった。普通にアクション映画だと思って観ると楽しめると思います。

監督のジョン・ウーの個性と、ミッション・インポッシブルの世界観が見事に噛み合わず空中分解してしまっているシリーズ2作目。この手のスパイものはやっぱり粋でアップテンポじゃなくちゃいけないと思うのですが、ジョン・ウーお得意のスローモーションや、アジアっぽい高い湿度が前に出てしまって微妙です。ストーリーもちょっと無理矢理感が…。
ただそのあたりを割り切って観れば、アクションシーンの演出はさすがだし、トム・クルーズの高い身体能力も堪能できます。ジョン・ウーが好きなら、それなりに楽しめると思います。

5作目の公開前にシリーズ全作品をおさらいしましたので、備忘録としてレビューをつけておきます。
まずは、テレビシリーズのファンに喧嘩売りまくりの内容だった1作目。ですが、そのへんを割り切って観ると、今でもじゅうぶん楽しめます。ストーリーは途中から読めてくると思いますが、サスペンスとしての演出が上手くて最後までハラハラさせられます。さすがデ・パルマ。エマニュエル・ベアールの美しさも必見です。ひとつだけ気になったのは、クライマックスの対ヘリ戦。特撮も、持って行きようもちょっと雑です。走る列車の上で戦うというと「ウルヴァリンSAMURAI」ですが、さすがにトムクルーズ、ウルヴァリンより強そうというのはどうなんだろう。

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