冤罪事件のノンフィクション作品。
ドキュメンタリーみたいな感じで会話文はあまり無し。上巻が少し読みにくかった。主人公の生い立ちだけで100ページくらいあんの。野球選手やったから野球のことが多いんやけど、私は野球わかりません!あとお世辞にも性格のいい人とは言えないのであまり好感は持てません(むしろ苛立ちさえ覚える)。
登場人物が多いので最後の方は誰が誰だか解んなくなる。でも主要人物が解れば問題ないのでなんとなくで読んだ。
で、ストーリーなんですが、一体何のための警察なんだと。嘘の証人、信憑性の低い嘘発見器、こじ付け決め付けの捜査、誘導尋問、長時間の取調べ、夢の内容の「自白ビデオ」etc・・・
犯人を見つけるための捜査じゃなく、疑わしい人物を犯人にするため、着地点を決めた上での捜査をしてる。しかも主人公に疑いの目が向けられたきっかけが真犯人の証言。他の証言者は真犯人が被害者と居るところを目撃してるのに!ちゃんと調べれば真犯人が見つけられたはず。
それに弁護士だって対抗できる材料があったのに使わなかった。最終的に無罪を勝ち取った弁護士チームの人達が登場してからは「こんな人達もちゃんと居るんだ」って思った。
釈放後の食事のシーンはホント泣きそうだった。「バーベキューをほおばってる時でさえほおがゆるむ」ってとこ。11年も刑務所に入れられて、無実が証明されても謝罪も無く、町の人々の大半はまだ疑ってる。一度有罪になるとたとえ冤罪でも人の心には残ってしまうからね。
誰にでも起こり得る事なんだと思うと怖かった。その上訳者のあとがきに裁判員制度の事にも触れてあってもっと怖くなった。裁く側に立つ可能性もあるって事だから。
何か長くなっちゃいました(´・ω・`)
- 感想投稿日 : 2011年8月10日
- 読了日 : 2008年10月31日
- 本棚登録日 : 2011年8月6日
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