人間失格 (集英社文庫)

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本棚登録 : 6057
レビュー : 840
著者 :
Yoshino Ayumiさん  未設定  読み終わった 

自己批評し続ける主人公の半生。
主人公の自己批評は、全編を通して冗談に感じるほど厳しい。自分と他人の関係性、行動、内面を深く分析し続け、多くのことに気がついていく。
しかし、自分を暗く卑怯な人間だと思いこんでいる主人公は、いくら自己批評をしても自分の良い部分に全く気が付かない。他人を笑わせていることは、他人から見ればとっても素晴らしい魅力的な特技なのだけど、主人公にとっては、他人を騙し見下す自分の欠点に見えている。
本の冒頭はしがきにて、3枚の写真に写った人物の描写はとても印象的だった。「どんな狂人?おばけ?の話だろう」と思ったが、そんな表面的な恐ろしさの話ではなく、人間自身の鈍く重く恐ろしい部分を深く見つめ、それを味わう話だった。
自分の悪い面ばかり見つめ、それを味わうなんてこと精神的に良くないことは客観的にみればすぐにわかる。本の外から主人公を見て、視野が狭くて馬鹿な人だと思う。けれど、悩み続ける主人公は憎めないし、馬鹿にしたいとも思わない。

レビュー投稿日
2019年5月1日
読了日
2019年5月1日
本棚登録日
2019年5月1日
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