世間的に日の当たらない?職業に従事する人の悲喜こもごもの日常を日記の形式で綴る人気シリーズ。本書の筆者は56歳にして介護職員となった経歴を持つ。
報酬もいいとは言えず、要介護者や上司同僚とのストレスや腰痛などの体調不良による離職率もかなり高いとのこと。そんな職場でも筆者は働き続ける。
「彼らの人生に触れられることが喜び」とあとがきに綴っているが、本書の中に出てくるエピソードは面白おかしく描かれてはいるが、どれも壮絶そのものだ。
「ささっとやれよ。」とヘルパーを罵りながらオムツを替えてもらう老人、施設の入居者同士の不仲によるトラブルなどのばかりでなく、効率優先と介護現場の実態や介護に対する葛藤なども描かれている。
少子高齢化が深刻化する現代日本において介護の問題と無縁ですむ人は少ないのではないだろうか。
本書に出てくる老人たちはあと十数年後の自分自身だと思う。
読書状況:読み終わった
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☆おススメ
- 感想投稿日 : 2022年3月13日
- 読了日 : 2022年2月28日
- 本棚登録日 : 2022年2月28日
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