天才が天才の原石を磨く小説。
ワクワク感よりも焦燥感でジリジリしてくる。
何も持っていない自分にジリジリする。
若い時に読んでいたら腿のトコロをンギー!ってガシガシしたはず。
渇望?
憧憬?
磨かれてゆく原石に待ち受ける栄光と
時折顔を覗かせる破滅に残るページは僅か。
思わず、本当に思いもかけず涙が流れたのが
最前列で主人公「桜」を追いかけていた「ストーカー紛い」に思われていた男の発した
「よかったです。最高です。その、もう、最高です」
の言葉に思わず流れた涙。
不器用で不格好でも愚直に吐き出す言葉。
おそらく何も持たず希望も持てない中の僅かな、でも強烈な光に吸い寄せられた言葉。
光を進む者には見えない悲しみと喜びに反応したんだろう。
何も持たない僕だから反応したのだろう。
悲しみはない。
残り僅かのページに僕の偏屈で鬱屈した琴線(全音落とし)に触れるフレーズはあるだろうか?
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
青春
- 感想投稿日 : 2019年3月10日
- 読了日 : 2019年3月10日
- 本棚登録日 : 2019年3月10日
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