ロック・オブ・モーゼス (角川文庫)

  • KADOKAWA (2018年4月25日発売)
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本棚登録 : 61
感想 : 8
4

天才が天才の原石を磨く小説。
ワクワク感よりも焦燥感でジリジリしてくる。
何も持っていない自分にジリジリする。
若い時に読んでいたら腿のトコロをンギー!ってガシガシしたはず。
渇望?
憧憬?
磨かれてゆく原石に待ち受ける栄光と
時折顔を覗かせる破滅に残るページは僅か。
思わず、本当に思いもかけず涙が流れたのが
最前列で主人公「桜」を追いかけていた「ストーカー紛い」に思われていた男の発した
「よかったです。最高です。その、もう、最高です」
の言葉に思わず流れた涙。
不器用で不格好でも愚直に吐き出す言葉。
おそらく何も持たず希望も持てない中の僅かな、でも強烈な光に吸い寄せられた言葉。
光を進む者には見えない悲しみと喜びに反応したんだろう。

何も持たない僕だから反応したのだろう。

悲しみはない。
残り僅かのページに僕の偏屈で鬱屈した琴線(全音落とし)に触れるフレーズはあるだろうか?

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 青春
感想投稿日 : 2019年3月10日
読了日 : 2019年3月10日
本棚登録日 : 2019年3月10日

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