
ヒンドゥー教の苦行僧はサドゥーと呼ばれる
サドゥーは苦行により人々のカルマを打ち払うとも
「死にたい夜にかぎって」はまさに文学のサドゥーだ
赤裸々に性遍歴を抉り出しながら、綴り、そして祓う。
吐き出した伏線をすべて回収し最後に解脱し昇華する
とてもここには書けない自らの深いカルマを思いおこし
少しイビツなサドゥーに託す
どうしようもなく情けなくって、
あきれるほど正直で綺麗な文章
焦がれるジリジリした気持ちが背中を炙る
読んでいる途中で竹原ピストルが歌う
「野狐禅/自殺志願者が線路に飛び込むスピードで」
が聞きたくなった
♪ナメクジみたいに 君の体を這う毎日
ゴキブリみたいに 夜を這う毎日
ただ、生きていくだけ
シンプルなことを教えてくれる1冊
「モグラは穴を掘って太陽を探している
ときに地へたどり着くが
太陽を見た途端、眼は光を失う」
※エルトポより
- レビュー投稿日
- 2018年5月2日
- 読了日
- -
- 本棚登録日
- 2018年5月2日
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