イノベーション・オブ・ライフ ハーバード・ビジネススクールを巣立つ君たちへ

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yai0303さん 哲学 & Innovation   読み終わった 

破壊的イノベーション論を展開するクレイトン・クリステンセン教授の人生訓。彼が敬虔な信者であることを本書で知り、またそのことや家族を大事に思う気持ちが、彼の理論のバックボーンにあり、人生での実践がその信念を強めていたことを理解した。

彼が投げかける三つの問いをここに記す。
私たちは、どうすれば次のことが確実にできるだろうか。
・どうすれば幸せで成功するキャリアを歩めるだろう?
・どうすれば伴侶や家族、親族、親しい友人たちとの関係をゆるぎない幸せのよりどころにできるだろう?
・どうすれば確実な人生を送り、罪人にならずに住むだろう?

彼は、人生の根源的な問題を手軽に解決する方法があるわけではないが、人生の状況に応じて、賢明な選択をする手助けとなるツールはあるとして、経営論のなかで引用されることの多い「理論」が実は人生にも役立つと指南してくれる。

例えば、キャリアを描く上で意図的戦略と創発的戦略という概念を理解して、自分に素直になればそのいずれの戦略をとるべきかを知ることができる、といった具合だ。

一瞬一瞬の時間を何に投じるのか、これは企業戦略であれ、人生戦略であれ、資源配分プロセスがなりたい自分の姿を映し出していなければならない、というくだりもある。当たり前のようで、「今は、やむを得ずこれをやっているだけ。子供が成長したら、ギアをチェンジするから・・」と言い訳しがちな自分を立ち戻らせてくれる一文だった。

また、何よりも大事なのは、終講におさめられた「目的をもつことの大切さ」である。ピーター・ドラッカーの名言、「企業が自らの目的と使命を十分に考え抜く事はまずない。このことが、企業の挫折と失敗を招く、もっとも重要な原因の一つなのだろう」を引用しつつ、目的を持たない企業、人生にはどんな理論もほとんど価値を持たないと喝破する。

目的には、三つの部分があるとして、「自画像を描く」「献身(信仰とも言えるもの)を貫く」「尺度をもって、それぞれの仕事と照らし合わせる」ことの重要性を説く。

私は、自分の人生の自画像を描いているだろうか、その自画像への献身がゆらぎそうなとき立ち止まることを恐れていないだろうか、尺度をもってその成長の実感を持つ事ができているだろうか・・・。

二人目の出産を前に、人生の目的を考え直す、貴重な本と出会う事ができた。クレイトン先生の人生に感謝。

レビュー投稿日
2014年9月30日
読了日
2014年9月30日
本棚登録日
2014年9月29日
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