星の旅人 スペイン「奥の細道」 (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング) (2009年8月25日発売)
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感想 : 8
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 パウロ・コエーリョの『星の巡礼』に触発されて、俳人黛まどかが巡礼路を辿る。
パウロ氏がメッセージを寄せている。パウロ氏と知り合いなのか!? というか、パウロ・コエーリョはまだ存命の方なんだ!と妙なところで驚いた。

 どこにどう触発されたのか、あまり『星の巡礼』との関連が語られる部分は少ない(冒頭、マダム・ダブリエルが出てくるくらいか)。まぁ、あの作品に影響を受けたというなら、精神的な、内面的なことだろう。歩く旅に対する、心構え、準備などが、素人っぽくて、むしろ興ざめしてしまう旅の序盤。
 それでも、50日弱の日数をかけて、多少なりとも成長していくところが見どころか。フィジカルに余裕がないからか、風景の描写、旅の感傷などの部分が、いまひとつ掘り下げがなく響かなかった。
  50ほどの章立てに、一句づつ付されている。エッセイの内容とさほどリンクしておらず、その点も、やや肩透かし。俳人の旅エッセイ、そこって大事なんじゃないのかなあ。タイトル内に「奥の細道」を付すが、旅のスペシャリスト芭蕉が、その最晩年に記した紀行文と並べるには、はなはだ心もとない。

 旅の道連れだった夫人が、目的地に到達後に呟く、この言葉は意外だった。

「私はこれからどうやって歩いていったらいいの? あの黄色い矢印なしに・・・・」

 巡礼の達成感は、先の人生の道しるべになるとばかり思っていたのだが、こんな感想もあるのかと驚かされた。

「同じ道を歩いているように見える巡礼も、それぞれに別の道があり、違う風景が見えているのかもしれない・・・そう思うのだった。 」

 旅への思い、その目的は、巡礼者の数だけあるということは肝に銘じておこう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: エッセイ
感想投稿日 : 2018年8月15日
読了日 : 2018年8月15日
本棚登録日 : 2018年8月9日

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