なぜ、これほどまでに壇蜜の文に惹かれるのか、このフォトエッセイを読んでわかったような気がする。強烈な自己否定と「この借り物の身体でようやく生きていってもいいと思えるものが見つかった」という安堵感。レゾンデートルを求めて、一晩中石や壁を殴りながら、拳を血だらけにして歩き続けたあの頃を思い出すからなんだと。何も頼れるものもなく、こんなクズな自分が生きていく価値などどこにあるんだろうと思い続けた日々。今の仕事に出合って、ようやく、生きていってもいいのかな、と思えるようになって、まだ長くはない。リスカを繰り返す女の子、援交止められない子などをどうにかしたいと思うのも、あの頃の自分とダブって仕方が無いからなのだろう。「生きていてもいいのかな」という想い、全く同じような気がしてならない。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
エッセイ
- 感想投稿日 : 2015年2月4日
- 読了日 : 2015年2月4日
- 本棚登録日 : 2015年2月4日
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