イタリア民話集 上 (岩波文庫 赤 709-1)

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本棚登録 : 107
レビュー : 8
制作 : 河島 英昭 
yamada3desuさん イタロ・カルヴィーノ   未設定

「グリム童話集」に匹敵するような民話集を作ろう、ということから、あのイタロ・カルヴィーノがイタリア全土から民話を集め、二百編からなる民話集を編纂した。
 ただ集めただけではなく、イタロ自身が若干手を加えたり、各地に散らばっていた似たような話を一つの話に統合したりしている。
 岩波から出版されている本書はこの二百編の中から上下二巻七十五編を収録している。
 上巻、つまり本書は北イタリア、下巻は南イタリアという切り分けがされている。
 こういった付加情報はさておき、内容の方だが、面白いものもあれば、「ん?」ってものもある。
 そしてなによりも展開が異常に速い。
「聊斎志異」を読んだ時も、その異常なテンポの速さに驚いたのだが、このイタリア民話集の方がスピードは上回っているような気がする。
 とにかく物語があっという間に展開するのだ。
 思うに昔の作品や民話などはこういった展開の速さが特徴の一つなのかも知れない。
 それにしても速い……。
 そして、簡単に人が死ぬ……。
 親でも兄弟でも恋人でもお世話になった人でも主人公の、というよりも物語の展開上必要であれば簡単に死んでいくのだ……時々簡単に蘇るけど。
 これもきっと民話ならではの特徴なのかもしれない。
 それにしても……義理も人情もない話が多く、そういう意味での面白さも味わえた。
 下巻を今読んでいるが、上巻以上に義理人情に薄い(あるいは皆無)な話が多いように思う。
 まぁ、日本の民話だって突き詰めていけば、結構残酷だし、血も涙もない話も多いけれど、それにしてもイタリアの民話は……ってのが一番強く感じた感想かも知れない。

レビュー投稿日
2018年1月4日
本棚登録日
2018年1月4日
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