沈む日本を愛せますか?

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yamada3desuさん 高橋源一郎   未設定

 政治学者や政治評論家ではない二人(加えてインタビュアーという立場で渋谷陽一も参加)による政治対談集。
 2009年4月21日に第一回目の対談が行われ、2010年8月29日に第六回目の、及びそれまでの総括的な対談が行われている。
 大雑把にいえば、「第45回衆議院議員総選挙」で自民党が大敗、民主党圧勝、いわゆる政権交代が起こり、その後民主党が急速に支持率を下げ、「第22回参議院議員通常選挙」により自民党が民主党を上回る議席を獲得、いわゆる「ねじれ国会」が始まるまで、この期間に行われた対談である。
 それを何故今頃よんでいるのか、といえば、今頃になって当書を買ったから、というただそれだけの理由なのだが。
 改めてその当時を振り返る感覚で読んでみると、これがかなり面白い。
 対談されているお二人(渋谷氏を含めれば三人)には申し訳ないのだが、その後政治がどのように動いていくのかを知っているというのは、「似非優越感」を抱きながら読み進めるということなのだろう。
 あくまでも「似非」であり、しかも政治的思想に基づいた「優越感」ではないので、毒にも薬にもならないが。
 例えば本書の中で「自民党はもう再生しないよね」的な発言があるのだが、その後、民主党と自民党がどうなっていったのか、それを僕たちは知っている訳だ(自民党が再生したのかどうかは疑問もあるだろうが)。
 まさにどうでもいい「似非優越感」なのだし、正直手放しで面白がることも出来ない。
 なぜなら、当書の中で語られている言葉の意味は、今現在、結果を知っている僕らが持っている言葉の意味と大差なく、僕らが現在持っている言葉の意味だって、数年後には「似非優越感」の餌食にならないとも限らないから。
 そういう意味では、面白く読めたと同時に、そら恐ろしい気持ちにもなれる本なのかもしれない。
 まぁ、読んでいると政治的な与太話に思えることもあるんだけれど、それは当書的に言えば「イデオロギーじゃなくて、コロキアルで表現」しているからなのかも知れない。
 もう一つ、あの3.11が起こるのがここに掲載されている総括的対談が行われてから約半年後のこと。
 政治的にも多いに影響のあったことはいうまでもなく、あの未曾有の大災害で大きな被害を被ってしまったのちの対談はここには収録されていない。
 それは続編の「どんどん沈む日本をそれでも愛せますか?」に掲載されているとのこと。
 そちらもいずれ読むことになると思う。
 自民党が政権復帰を遂げた後(つまりつい先日の出来事)の対談があるのであれば、そちらも、出来ればリアル・タイムで読んでみたいと思う。
 ただ、対談があって、編集して、印刷して、本屋の店頭に並ぶころには、現実の政界がガラリと変わってしまっている、なんてこともありそうだから、この手の本ってのは、なかなかリアルと同期を取って読むことは難しいだろうなぁ。

レビュー投稿日
2018年1月5日
本棚登録日
2018年1月5日
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