山手線探偵2: まわる各駅停車と消えた初恋の謎 (ポプラ文庫)

著者 :
  • ポプラ社 (2013年2月5日発売)
3.23
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本棚登録 : 582
感想 : 49
2

〇 トータル ★★☆☆☆ 2点
シリーズもので,キャラクターがしっかりしているので,物語に入りやすい。先が気になるというほどではないが,予想どおりに話が進んでいくベタな内容なので,読みやすい。後に印象に残る作品ではないが,読んでいるときはそれなりに楽しい。栄養はないがお腹いっぱいになるという感じの作品。シリーズ3作品の中では,一番印象に残らないイメージ。
 
〇 事件の内容
被害者
 タツミコ
犯人
 健一
トリック
 特になし。たまたま水死した茶太郎が犯人扱いされた。
この作品のポイント
 山手線探偵である霧村,その助手のシホなどのキャラクターが,ユーモラスが雰囲気で活躍する作品。ミステリとしてではなく,キャラクター小説として読めば,読んでるときは楽しめる。インパクトには残らなそう。

〇 サプライズ ☆☆☆☆☆ 0点
偽物の山手線探偵〈やまたん)が,古谷トメの依頼で探していた栗原健三だったこと,古谷トメが龍墓村で生贄えにされようとしていたから,最初は村人から優しくされていたこと,龍鬣鋏を隠したのが下山美代で,タツミコを殺害したのは健一だったことなど,読者の予想どおりに進むだけであり,ミスディレクションなどまったくない。サプライズはないに等しい。

〇 熱中度 ★★★☆☆ 3点
読者の予想どおりに話が進むので,わりと読みやすい。続きが気になるから止まらないというより,その短さも相まって,最後まで読んでしまうというイメージ。軽いというか,薄い内容。しかし,軽い作品は嫌いではない。

〇 キャラクター ★★★★☆ 4点
シリーズものの強みというか,霧村,シホ,三木の三人のキャラクターはそこそこ。健三やトメさん,あやめさんなど,脇を固めるキャラクターもまぁまぁいい味出している。

〇 読後感 ★★☆☆☆ 2点
トメさんは,村人からひどい仕打ちを受けていたわけであり,健一にも合ってない。美代さんは鋏を盗んだ告白だけさせられたわけであり,茶太郎さんは,冤罪だったわけで…。全体的なユーモラスな雰囲気ではあるが,読後感はそんなによくない。

〇 インパクト ★☆☆☆☆ 1点
霧村,シホ,三木のキャラクターだけは覚えていそうだが,どういった殺人が起きて,誰が犯人でどういうトリックがあったかなどは,すぐ忘れそう。というか,トリックらしいトリックもない。シリーズものは,シリーズ全体の雰囲気は覚えていても,個々の作品の内容が印象に残らないのが難点。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 妻の本
感想投稿日 : 2016年8月4日
読了日 : 2017年1月2日
本棚登録日 : 2016年8月4日

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