考える一族: カシオ四兄弟・先端技術の航跡 (岩波現代文庫 社会 69)

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  • 岩波書店 (2002年10月16日発売)
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「世界に先駆けて...」っていう夢から始まった。大事なことは既存知識だけではどんなに組み合わせてみても、絶対に飛行機は生まれなかったように、知識欲があると却って創造力をなくすという考え方の徹底。

IC、LSIを魔法の杖として使ってきたエレクトロニクスは進歩する。次にエレクトロニクスはいいものだ、この二つをひたすら信じた。

第一に現代技術・製品開発戦略の常識に反して、市場調査など行って消費者のニーズをとるといった手法は一切取らない。第二に新製品、新技術を送り出すときにはより良いものをより安くの精神。第三に以上の戦略を展開するに際しては、必ずハイスピード・マネジメントを持って当たること。

この考え方で「カシオ」を作ったんだってことにびっくりした。多くの会社が消費者動向を気にしマーケティングに血道を上げている中、こんな職人気質的な思想、哲学が存在しているだけでなく、大きく成功している。
マーケティングを勉強している最中で、正直どっちの考えが正しいのか心が動く。多分どちらもある条件のもとでは正しいのだろう。大切なのはどんな夢、考えも哲学までに昇華させ、物事に当たっていくことなのだろう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 伝記
感想投稿日 : 2011年10月11日
読了日 : 2011年10月11日
本棚登録日 : 2011年9月26日

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