ホビットの冒険〈下〉 (岩波少年文庫)

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本棚登録 : 1025
レビュー : 84
yamaitsuさん  ○トールキン   読み終わった 

再読。トーリンのみならず、残り12人のドワーフも森のエルフたちに囚われてしまうが、ビルボだけは指輪をつかって姿を隠し、こっそり森のエルフ王の城に忍び込む。この森のエルフの王様、秋なので木の実と赤い葉っぱの冠をつけていて(春は花の冠になる)とってもオシャレ。この本の段階では名前は出てこないが、実は彼がレゴラスのパパ=スランドゥイルであることは指輪ファンなら周知の事実。

さてビルボの機転で樽に隠れて脱出に成功した13人のドワーフたちは、人間たちの住む湖の町エスガロスに辿り着き歓待される。そしていよいよ竜のスマウグの棲む山へ。ビルボは指輪を使って姿を消しスマウグの宝から一部を盗み出すがこれに激怒したスマウグは大暴れ、エスガロスを荒らしに出かける。ビルボとドワーフたちはその隙にスマウグの宝の持ち出しに成功するも、人間たちの町は焼き払われ、弓の名手バルドがスマウグを射殺す。

ここでめでたしめでたしでも良かったわけですが、竜によって災害レベルの被害を受けた人間たちが困窮しているところを森のエルフが救援、人間軍とエルフ軍は、竜の災害をもたらしたドワーフたちのところへ交渉にやってくるが、宝物を渡したくない彼らは喧嘩腰(こういうとこわりとドワーフは最低)ビルボは調停のため立ち回るが頑固なトーリンは許さず、そこへゴブリンとアクマイヌ(と訳されているが狼のワーグ)たちが攻め寄せ「五軍の戦い」となる。

上巻で登場した、ビヨルンや鷲たちも応援にかけつけ、離脱していたガンダルフも戻ってきて、人間&エルフ&ドワーフの同盟軍が勝利。ビルボはお宝を手にホビット庄へ無事帰還する。

バルドがもっと早く登場して活躍したようなイメージを持っていたが、改めて再読したら下巻の後半になるまでバルドは登場せず、竜を倒す以外の活躍はあまりしていなかったのが意外だった。ドワーフたちは基本的に邪悪ではないけれど狭量で利己的、ちょいちょいビルボに面倒な仕事を押し付けて自分たちは何もせず、お宝だけは独り占め、って感じなのであまり好きになれない。ビルボは指輪の魔力のせいなのか、そもそも指輪をねこばばしたのを始め、アーケン石も最初はこっそりポケットに入れたりしてちょいちょい欲望に負けがち。

詳しくは明かされていないものの後の指輪物語への伏線的な描写も多々あり。個人的にはやっぱりレゴラスのパパ、スラ様が出てくるのが嬉しい。なぜかビルボが別れ際に彼に真珠の首飾りをプレゼントしちゃうところとかとても好き。

この本の原題サブタイトルは「行きて帰りし物語」(The Hobbit, or There and Back Again)で、ビルボは冒険を終えてホビット庄に無事帰ってくるが、この本を読むたびに、でも指輪を「捨てる旅」に出たフロドは、行ったまま帰って来られなかったんだよなあ、と思い、切なくて泣けてくる…。

レビュー投稿日
2020年1月24日
読了日
-
本棚登録日
2012年8月8日
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