これはちょっと騙されました。いや事前に確認しなかった自分が迂闊だったんですけど、佐藤緑葉による昭和9年の訳で、旧仮名が多いのは覚悟のうえだったのでそれは別に良いんですが、いかんせん収録されているのが、全7編のうち3編だけ。・・・え?(苦笑)。
しかも、7編は独立した短編ではなく連作形式で「自殺クラブ」に関する話と「ダイヤモンド」に関する話の二つに分類されるんですが、ここで訳出されてるのは、どちらか片方だけならまだしも、それぞれからランダムに1~2作づつ(ちなみに「医師と旅行鞄の話」「帽子箱の話」「若い僧侶の話」の3編)。てことはつまり、そんなバラバラなパーツだけ読み終わっても全貌は把握できず「ちっとも事件が解決しとらんやないかーい!!」というストレスを抱えるはめになります。おいおい。
光文社古典新訳文庫のほうは全部翻訳してくれてるみたいなので、結局そっちを読み直すことになりそう。
お話自体は面白いです。登場人物たちも皆一癖ありそうで。ただタイトルから想像するアラビアンナイト的な雰囲気や幻想性は皆無。しいていうなら冒険譚の趣きがあるという点くらいでしょうか。どちらかというとルパンとかに近い、冒険活劇的推理小説という印象をうけました。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
★イギリス・アイルランド
- 感想投稿日 : 2013年4月3日
- 読了日 : 2013年4月2日
- 本棚登録日 : 2013年3月28日
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