再読。ファウストよりは「舞姫タイス」のほうが同じジャンルな気がする。修道僧が誘惑と闘う系。
ブリューゲルの絵に触発されて書かれたというだけあって、終盤変な生き物の百鬼夜行みたいになるのは楽しい。いかにもブリューゲルっぽい「魚の体に人間の頭をつけた珍妙な生物」=オアンネスなんかが出てくるのも好き。
ただ悪魔との戦いという点になると、正直私は悪魔の意見のほうにいちいち「ごもっとも」と思ってしまうので、あまりアントワヌに肩入れできない。しかも、序盤から悪魔の誘惑(美食、金銀宝石、権力、殺戮、色欲など)に、片っ端からアントワヌは負けてた気がする。突然はっと我に返って「ふう~危なかった」みたいな感じ出してますけど、いや今完全に誘惑に乗ってたよね?みたいな(笑)あれはセーフなの?アウトじゃないの?(苦笑)
しかし異教や異端の博覧会みたいに色んな人が登場するのは面白かった。巻末に固有名詞一覧もついていて親切。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
★フランス 他
- 感想投稿日 : 2015年10月5日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2012年8月13日
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