完訳 千一夜物語〈1〉 (岩波文庫)

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本棚登録 : 246
レビュー : 26
yamaitsuさん  ★アジア・インド・アフリカ   読み終わった 

いつか読もうと思いつつ巻数が多いので躊躇していた千一夜。たまたま本屋で「10年ぶりに復刊」の帯つきで増刷されてるのをみつけてこれもタイミングと着手することに。千一夜の元本はアラビア語の写本、それ自体もいろんなバージョンがあるのにさらにヨーロッパ等で翻訳された段階でさまざまなバージョンが派生したということで(当初は千一夜分はなかったんですね)岩波文庫のこれはフランスのマルドリュス版。

まず導入として、シャハリーヤール王が妻に裏切られて女性不信になるまでの物語があり、妃を処刑してからは夜ごと生娘を一人お相手にして翌朝には殺してしまうこと3年におよび、ついに大臣の娘、大枠になる語り手シェヘラザード(本書ではシャハラザード)の登場となる。彼女の語る物語の登場人物がまた物語を語り、その登場人物もまた・・・という感じでどんどん入れ子になっていくのが、ややこしい。

物語自体は単純に面白く続きが気になるので(引きのタイミングも絶妙!)読者も王と同様、もっと続きを!ってなっちゃうのほんと上手くできてるなと感心。パターンとしては似たような話も多いのだけど、いわゆるジェットコースター型とでもいうのか、どんどん巻き込まれて突拍子もないことになるので途中でやめられなくなってしまう。魔神(ジンニ―、女魔人はジンニーア)や鬼神(イフリート)が出てきて魔法で動物に変身させられたり逆に助けられたり、船は難破するし、財産は美女のせいで失うし、かと思えば美女だらけのハーレムに迷い込んだり波乱万丈だけど基本的にハッピーエンドが多いので安心。

イスラム圏のお話ゆえやたらとアッラーにお祈りすることや、「激しい驚きに激しく驚いた」のような独特の言い回しが最初のうちはちょっと気になるけど慣れれば大丈夫。文化の違いや、美味しそうな食べ物や聞いたことのないスイーツの名前など新鮮。食べたい。そして千一夜といえばエロティックなイメージも強いですが、今のところそれほどでもないかな?という印象。まあわりと簡単に女性が全裸になりがち、とか、回数を数えがち、とかはありますが(笑)

※収録
諸話 シャハリーヤール王と弟シャハマザーン王との物語(騾馬と牛と農夫の寓話)
第1-3夜 商人と鬼神の物語(第一の老人の話/第二の老人の話/第三の老人の話)
第3-9夜 漁師と鬼神との物語(イウナン王の大臣と医師ルイアンの物語/シンディバード王の鷹/王子と食人鬼との物語/魔法にかけられた若者と魚の物語)
第9-18夜 荷かつぎ人足と乙女たちとの物語(第一の托鉢僧の話/第二の托鉢僧の話/第三の托鉢僧の話/第一の乙女ゾバイダの話/第二の乙女アミナの話)
第18-19夜 斬られた女と三つの林檎と黒人リハンとの物語
第19-24夜 大臣ヌーレディンとその兄大臣シャムセディンとハサン・バドレディンの物語

レビュー投稿日
2019年1月17日
読了日
2019年1月16日
本棚登録日
2019年1月17日
5
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