バベル九朔

2.85
  • (12)
  • (56)
  • (240)
  • (109)
  • (17)
本棚登録 : 1105
レビュー : 201
著者 :
yamaitsuさん  >ま行   読み終わった 

万城目学の作品はいつも奇想天外だけど、同時に娯楽性も高く登場人物も個性的でキャラものとしても読めるから、どんなに奇想天外な設定でも最後までぐいぐい面白く読めた。がしかし、本作。奇想天外はいつものことながら、どうも娯楽性が低い。会社勤めを辞めて作家を目指しながら、祖父が残した雑居ビル「バベル」の管理人をしている主人公の性格が、どうも中途半端に現実逃避的で感情移入しにくく、応援する気持ちになれない。

それでも中盤、異次元のようなバベルという世界が出現し、ひたすら塔を上りながらテナントを遡ってゆくあたりはそれなりに面白かったけれど、終盤のぐだぐだ感がひどい。もとの世界に戻れたと思ったらまだ違った・・・くらいのどんでん返しは1回で十分。なぜ時間軸までずれたのかご都合主義すぎて、最後に主人公のしたことになんの意味があるのか全然わからなかった。少女とおばさんが同一人物なのかもスッキリしない。

世界観はキライじゃなかったけど、初期の村上春樹をやろうとして失敗した感じ。エンタメから純文学に移行しようとしてるのだろうか。万城目学の転換期の作品としてターニングポイントになりそうではあるけれど、単純に読み物としてつまらなかった。

レビュー投稿日
2017年5月8日
読了日
2017年5月7日
本棚登録日
2017年5月2日
1
ツイートする
このエントリーをはてなブックマークに追加

『バベル九朔』のレビューをもっとみる

『バベル九朔』のレビューへのコメント

まだコメントはありません。

コメントをする場合は、ログインしてください。

いいね!してくれた人

ツイートする