龍馬の手紙 (講談社学術文庫)

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レビュー : 16
著者 :
yamaitsuさん ◆幕末(小説以外)   読み終わった 

再読。140通近い手紙が残っていたことにまず感動する。まあ幕末はほぼ近代というのもあるだろうけど、それにしてもいくつか戦争も天災もあったわけで、紙という脆い素材のものがよくもまあこれほど残っていてくれたものだと。もちろん保管状況にもよるだろうし、例えば龍馬の妻のお龍さんなどは龍馬からもらった手紙を全部焼いてしまったというし、西郷隆盛にも実際は結構手紙を送っていたのだろうけれど、それらは発見されていない(残っていない)

本書に収められている手紙の宛先で一番多いのはもちろん土佐の乙女姉さん。「乙大姉の名諸国ニあらハれおり候。龍馬よりつよいというひようばんなり」と龍馬自身もヨイショしているくらい、頼もしいお姉さん。気の置けない身内あての手紙は文体も他の仕事上の堅苦しい手紙とは違い、くだけた話口調で、勝海舟に弟子入りしたことを自慢する有名な「エヘンエヘン」の手紙とかやっぱりとっても微笑ましい。「すこしエヘンがをしてひそかにおり申候」とか書いてて、「エヘン顔」って今でいう「ドヤ顔」みたいな感じかな。可愛いな。

自分の運の良さを強調するために「うんのわるいものハふろよりいでんとして、きんたまをつめわりて死ぬるものもあり」って変な例えを出してくるのとかも地味にツボる。好きな女性ができたらほぼ必ず乙女姉に報告しているのも微笑ましい。龍馬の初恋相手といわれている平井加尾(平井収二郎の妹)に始まり、千葉道場の佐那さん、そして最後はお龍さん。基本的に乙女姉さんに似た男勝りのサバサバした女性がタイプだったようで、一種のシスコンかしら(笑)

乙女姉に次いで多く残っているのは、長府の豪商で海援隊の支援者だった伊藤助太夫、あとは同じ土佐藩の佐々木高行、お馴染み桂小五郎=木戸孝允、寺田屋で襲われたときも一緒だった三吉慎蔵ら。その他、海援隊の部下だった陸奥宗光、同じく海援隊士の池内蔵太の、当人ではなく家族への手紙が数通残っているのは興味深い。よほど池のことは可愛がっていただのだろう。

暗号のつもりか桂のことをいつも「木圭先生」って書いてたり、年下で部下の陸奥のことも「陸奥大先生」ってわざと書いたり、「取巻抜六」なんてふざけた変名を使ったり(※寺田屋で伏見奉行所に取巻かれたけど抜けて逃げ切ったから)随所に龍馬のお茶目さが駄々漏れていて、小説の影響はあれど現代における龍馬人気の高さって、こういう現代人にも伝わる愛嬌があるからだろうなと改めて思った。

レビュー投稿日
2018年11月6日
読了日
-
本棚登録日
2012年9月21日
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