短編集。谷崎へのオマージュを冒頭で表明しているだけあって、刺青や盲目のエピソードが多くちりばめられていました。しかし表題作「重力の都」は、谷崎よりむしろ折口の「死者の書」を彷彿とさせられましたが。個人的には幼い姉弟の歪んだ成長を描く「ふたかみ」が印象的だったかな。このひとにしては珍しく中性的な美少年が主人公の「よしや無頼」も異色でした。
※収録
重力の都/よしや無頼/残りの花/刺青の蓮花/ふたかみ/愛獣
読書状況:読み終わった
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○中上健次
- 感想投稿日 : 2012年9月4日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2012年7月27日
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