かわいそうだね? (文春文庫)

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本棚登録 : 1980
レビュー : 201
著者 :
yamaitsuさん  >やらわ行   読み終わった 

綿矢りさは「蹴りたい背中」くらいしか読んでいないのだけれど、読むたびに思うのは、とにかく「上手い」なあ、ということ。若いのに勢いで書かずに、きちんと緻密に計算されていて、なおかつキャラクター作りも上手いので自然に感情移入できるし、かつ、並ではない感受性に「はっ」とさせられる。一見いまどきの平易な言葉で書かれているし、若い女性の恋愛を扱っているから軽いエンタメ作品として読んでしまうことも可能だけれど、けしてそれだけで読み捨てられない、なんというか「文学的」だなあと感心してしまう。高橋源一郎や島田雅彦あたりのオジサン作家が絶賛するのもわかる気がします。

まあ薀蓄はさておいて、表題作も同時収録の「亜美ちゃんは美人」もとても面白く読めました。表題作のほうは、主人公がお人よし過ぎて「騙されてるよ!」とアドバイスしてあげたくなる親近感もあるし、ゆえにラストの関西弁での大爆発が痛快。個人的に、私も仕事のときは標準語でも、本気で怒ると関西弁、それも普通の同年代の女性が話す標準的な京都弁ではなく、どこのチンピラ!?とびっくりするような汚い言葉がぽんぽん出てくるので、ものすごく共感できました。

「亜美ちゃん~」のほうは美人の友人をもった平凡な女の子の苦労話かと思いきや、思いがけない着地点にたどりついて意外性もありつつ、女子なら誰しも共感できる「美人の友人と比べられたコンプレックスあるある」も実に上手く表現されてます。美人の亜美ちゃんにアプローチするでもなく「研究」している小池くんのキャラも素晴らしかった。

レビュー投稿日
2013年12月16日
読了日
2013年12月14日
本棚登録日
2013年12月5日
6
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