魔法の庭 (ちくま文庫)

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本棚登録 : 134
レビュー : 14
制作 : Italo Calvino  和田 忠彦 
yamaitsuさん  ★イタリア・ローマ   読み終わった 

短編集。「魔法の庭」というタイトルのイメージだけでファンタジー系かなと思って読み始めたらそうではなかった。やたらとパルチザンが出てくるし、戦争中というかファシズム政権下の農村が舞台になっているものが多く、日常の中のちょっとした違和感からくる不穏さや恐怖心などを描いたものが多かった印象。そんな中でもそれなりに子供たちはのびのびしているのが救いだけれど、楽しく遊んでいてもふと現実に引き戻される瞬間の寂しさや、「うまくやれよ」のような、子供のうちからすっかりクズみたいな子も戦争中は出てきちゃうんだよなあとしょんぼりもする。

「動物たちの森」はやっぱり戦争中の話ながら、民話的な展開でホッとした。金銭めあてで泥棒に入ったのにお菓子やケーキがいっぱいでそっちに夢中になっちゃう「菓子泥棒」は、ケーキの上で転げまわりたいとか甘い物好きとしてはわかるわかる!と思う反面、実はケーキなんて庶民の手にははいらないくらい貧しく厳しい時代背景を考えるとやっぱりちょっとしょんぼりしてしまうのでした。

※収録作品
蟹だらけの船/魔法の庭/不実の村/小道の恐怖/動物たちの森/だれも知らなかった/大きな魚、小さな魚/うまくやれよ/猫と警官/菓子泥棒/楽しみはつづかない

レビュー投稿日
2017年12月22日
読了日
2017年12月21日
本棚登録日
2017年12月19日
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