狼ばば様の話 (文学の扉)

  • 講談社 (2012年2月29日発売)
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本棚登録 : 30
感想 : 6
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いやあ、実にこの作者の、おばあちゃんキャラクターは、秀逸である。瞳子のおばあちゃんと、狼のおばあちゃん。…「花守の話」瞳子とおばあちゃんの話のシリーズ三冊目。ちょっと食えない頑固さと不器用さ、誇りと魅力、芯のところの柔らかな優しさの、ヒューモア。心がふっくりあたたかくなる読後感。日常の裏側の冒険、日本の民俗、異界への畏敬としてのファンタジー。何を大切にして、その世界(民話的世界)が存在しているか。ここには、自然との共生の、ひとつのアプローチの示唆がある。抽象化した言葉でつづめてしまうと陳腐だけれど、厳しさ、それに対応する勇気、双方に存在しうる優しさ、感謝、けれども、このお話の世界の中で何より大切なのは、それを包み込む、超ー日常、としての、ファミリアなあたたかさなのだ。恨みと憎しみで鬼になる者を救う、ピュアなかなしみと愛しみ。世界のめくるめく美しさと恵みに対する歓び、楽しさ、愛。…あらすじを追いながら、きちんとレビュしてみたいなあ、とほんのり。とりあえず、シリーズ、続編を期待。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2012年6月30日
読了日 : 2012年6月29日
本棚登録日 : 2012年6月30日

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