f植物園の巣穴 (朝日文庫)

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本棚登録 : 1217
レビュー : 148
著者 :
yamatamiさん 小説   読み終わった 

不思議な世界感に豊彦と同じように戸惑いながら、さ迷うように読んでいました。

読んでいくうちに、ひとつひとつの出来事が主人公の過去、現在に繋がっていって・・・
坊との最後の会話、意識を取り戻した豊彦と千代との会話ではほろほろと涙が流れていました。
いろんな場面に出てくる穴、水、植物、その構造が隠喩しているもの・・・
伏線がちりばめられていたんですね。もう一度しっかり読みなおしてみようと思いました。

シリアスな部分もありますが、不思議なことを受け入れていく豊彦の姿や歯医者とその妻とのやりとりはやはりおかしかったです。

読み始めはじめっとした空気感が漂っていましたが、読後は雨があがった後のしっとりとした、澄んだ空気を感じることができました。

蓋をしていた心の奥深くに、潜っていくように、穴に落ちていく。忘れてはいけないもの、命と向き合い、背負い、また上っていく。滞っていた水が流れ出したように、豊彦の人生(時間?)もやっと、穏やかに進み出したのではないでしょうか。
穴や水、植物のモチーフが物語と繋がる味わい深いお話です。

解説にあったタイトルについての考察がおもしろかったです!

レビュー投稿日
2014年1月21日
読了日
2014年1月19日
本棚登録日
2013年11月11日
9
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