八日目の蝉 (中公文庫)

3.83
  • (1370)
  • (2416)
  • (1587)
  • (289)
  • (65)
本棚登録 : 14653
レビュー : 1998
著者 :
yamatamiさん 小説   読み終わった 

最後のシーンの美しさとあたたかさがなんとも言えません。

希和子のしたことは確かに犯罪。それでも確かに希和子は薫の母親だった。未来は見えないのにどうか逃げ切ってほしいと思わずにはいられなかったです。別れ際の言葉に涙が溢れます。

お腹の中の子どもにいろんなものを、きれいなものをすべて見せてあげたい、という気持ちが芽生えたとき、恵理菜は自分のなかで渦巻いていた気持ちと自分、過去に向き合うことができたように思います。
子に無償の愛をそそぎ、守ろうとする「母親」の姿が血の繋がっていないはずの希和子と重なります。

本当の母親のように自分を愛した誘拐犯の希和子、本当の母親なのにうまく愛することのできなかった恵津子。また、愚かな父親ですら、自分が母親になることで許そう、受け入れようと思えた恵理菜は本当に健気で強い…というか、強くなろうとしている姿に感動しました。

あと、千草が本当にいい子です。
八日目の蝉。きっとこれから、お腹の子どもと一緒に素敵なものをたくさん見られるよ。

偽りの母子の未来はなかったけれど、それぞれの未来に光が差し始めたラストがよかったです。

レビュー投稿日
2014年10月13日
読了日
2014年10月7日
本棚登録日
2014年9月25日
10
ツイートする
このエントリーをはてなブックマークに追加

『八日目の蝉 (中公文庫)』のレビューをもっとみる

『八日目の蝉 (中公文庫)』のレビューへのコメント

まだコメントはありません。

コメントをする場合は、ログインしてください。

『八日目の蝉 (中公文庫)』にyamatamiさんがつけたタグ

いいね!してくれた人

ツイートする