読書状況 読み終わった [2024年12月1日]

滅びの美学。
死生観をこれでもかこれでもか、と問いかけられている気がするので、正直、この作品が合わない方もいるかも知れない。言うて、どんより重い雰囲気が延々続くので。
だけど、私は割と好きな作品。
強烈なメメント・モリ作品だと思う。

死に至る老人登志夫のわずかな生の匂いが尿の匂い、というのがリアル。
それをきっかけに一瞬だけ抱きすくめられる樹里。
「おれのことを小説に書け」と切望されるのだけど、男女の愛なのか、死にゆく者から生者へのバトンパスなのか、ものすごく複雑な感情が混ざり合って、二人のその一瞬の抱擁が、なぜだか永遠の重さに感じられて切ない。

でも。
たぶんこういう死に方、いいな、自分もこんな感じで人生を終えたい、という人、結構多いんじゃないかな。実は私もそうなので。できるかどうかは難しいけど。
人生のピリオドの打ち方って難しいね。遅すぎても醜いし、早すぎてももったいない。なんて、俗物な私は思いました。

2024年12月1日

読書状況 読み終わった [2024年12月1日]
カテゴリ 小説

なんか2時間ドラマとかにふつーになりそうな感じのストーリーだった。わたしにとっては可もなく不可もなく。

と書いたところで映画化されていたという情報を発見。K-POPグループのメンバーが初主演(て書いてあるけど、主人公泉の相手役鉄治の役。でも主演って記述になってるのは鉄治が主役の設定に変更されているか、いずれにせよおそらくなんの話題にもなってないので観ようともおもわないが)。泉役の女優は知らないし、八重子役が江波杏子さんなのもちょっとイメージと違ってて、まぁ、別物になってる可能性大。

どっちかっていうと、泉と鉄治の世捨て人カッブルの人生再生ストーリーよりも、老女の画家八重子の人生のほうに興味が湧いた。この二人よりも絶対深い人生だろうなと思う。

でもそれを詳らかにするよりも、世捨て人カップルの脇に添えられてる感じのこのストーリーの流れのほうが、なんか余白というか語られていないところの奥深さがあっていいのかもしれない。

人生の本質はチラ見えするところにあるのかもしれない。だから見逃しやすいのかもね。

2024年11月20日

読書状況 読み終わった [2024年11月20日]
カテゴリ 小説

普通に面白かったし、途中意外なからくりが明かされるところも良かったんだけど、やはり一作目、二作目と比較すると衝撃度が薄まってしまった感はある。

しかし、主人公のカミーユのハートがズタボロなんだけど、これってまた次回作(あるのか?)までメンタル的に持つのかなーと若干心配になるわ。自殺しちゃってもおかしくないほどの傷心度なんだよね。

あと、海外警察犯罪ミステリーは一作目、二作目もだけど、もうカタカナの名前が頭に残らなさすぎて、読了までに時間かかる(笑)時間に余裕あるときじゃないともう読めないかも。面白かったけど。

2024年10月30日

読書状況 読み終わった [2024年10月30日]
カテゴリ 小説

ラスト数行でひっくり返すどんでん返し系ミステリ。

マザコン系連続殺人犯は、息子ではなく父親だった。父親は己の母である、一家からみたら祖母を一方的に愛しており、近親相姦なのと、中年男性と老婆の醜悪な姿にラスト最高に後味悪いわw

犯人はうっすらと予想はついてたんだけど、ラストの破滅的なエンディングまではちょっと予想出来なかったなー。

だいぶ前の作品なので、発刊当初はさぞやセンセーショナルだっただろうなぁ、まぁ、ええけど。

2024年10月30日

ネタバレ
読書状況 読み終わった [2024年10月30日]
カテゴリ 小説

「その女アレックス」から先に読んじゃってて、なんとなーく結末が読めてた人多いんだけど、私もそう(笑)

この作品、構成がちょっと変わってて、全二章なんだけど、第一章がえらく長い。第二章は本当に短い。

実は、これこそがこの作品の肝というか、うーん、肝って言い方より、なんだろう、舞台装置の仕掛け、と言ったほうが良いかもしれない。

エッグい猟奇殺人事件を描いたサイコミステリー小説。それを精確に模倣した同一犯人による連続殺人事件。

「アメリカン・サイコ」「ブラック・ダリア」、この2作品はかなりのベストセラーなのでこれを模倣した、と特定が容易かったのだが、これ以前の同一犯人の犯行が、なんの作品のオマージュなのか特定がどんどん厄介に、というかミステリーマニアへの挑戦状とも受け取れる雰囲気に。

この犯人のプライドをくすぐって意図を探るべくミステリーマガジンに広告(犯人に刺さる短いキーワード)を出すんだけど、律儀に返事が来るんだよね。担当警部カミーユの自宅に郵便で。



【ここからネタバレ含む感想】

小説作品の模倣犯、事件が連続して明るみになっていくほど(以前の犯行が明るみになるので時系列的には遡っていくのだが)モチーフとなる作品がマニアック、というかかなり検索したり専門家に尋ねたりしないと判明しない。(中には1867年刊行という古い作品も)

で。ラストの犯行が、よりによってすぐ絶版して出版社も倒産した犯人の小説だったとは…!

(つーか、己の絶版した処女作品を見つけて欲しかったという…なんていうか、うーん、この…)

で。長い長い第一章が終わり、第二章で作品フィクションと現実の舞台装置が切り替わる、その切り替わり方が舞台装置回転、とかではなく舞台の地面がひっくり返ってしまう感じ。メタとフィクションがぐらり、と揺れて自分は今何処に立っているんだろうかと一瞬わからなくなってしまう。

「アレックス」を先に読んじゃってたから、イレーヌ殺されるのはわかってたんだけど、何というか殺され方エグいわ、場所もカミーユにとっては母の思い出の場所がトラウマで塗り潰されたようなもんだし。

まあ、この作品のミソは第一章と二章の切り替わり、メタ的な読み手の立ち位置に来るグラリ感、だと思う。面白かった。イヤミスだけど。

あと余談だけど、何件も殺人事件が出てきてそれに付随する登場人物が多くて、自分はメモ取りながら読んでたけど、ラストの方にちゃんと整理して纏めてくれてる(太字なので見つけやすい)箇所があるので(ストーリー上の捜査のまとめ的な)、今思うと別にメモ取る必要なかったかも(泣)

2024年10月9日

ネタバレ
読書状況 読み終わった [2024年10月9日]

突如として拉致監禁された女性アレックス。
いわゆる拉致監禁からの脱出劇ストーリーかと思いきや、展開が二転三転し、アレックスの本当の顔が現れ始める。

誰が被害者で誰が加害者なのか、一人の女性の姿がオセロのようにパタンパタンとひっくり返っていく。

ネタバレなんであまり多くは書きませんが、ラスト、あれはあれで大団円だよなー、真実ではないかもしれないけれど。

あと、余談だけど、吝嗇な部下のアルマンのオセロも返し方もなかなか小粋でワタシは好き。

三部作らしいんだけど、この作品から読み始めちゃったから、前作もぜひ読みたい。

2024年8月20日

読書状況 読み終わった [2024年8月20日]
カテゴリ 小説

読書状況 読み終わった [2024年7月25日]
カテゴリ エッセイ

動物の一生って、例えば草食動物とか逃げコース間違って食われちゃったり、己のミスが=死で、それでジエンドなんだけど、反面、人間って死に繋がらないミスが多いじゃないですか。(死ぬミスもあるけど)

だから長い一生、その死に至らなかったミスを反芻して悔いたりする。なるべくならミスしたくないなぁ、回避したいなぁ、って思う心が指針というか、何か自分以外の物事を信じたいって思ってしまうのかもしれない。

これだ、と思って信じても、それがデマだったり、他者に受け入れられなかったり。

信じるって何なんだろうね。昭和、平成、令和、と、どの時代もリアルタイムのその時は混沌とした時代だけど、わずかな灯りを求めてみんな彷徨ってるのかな、と思った。

飛馬も不三子もそれぞれの人生を彷徨い歩き続けてきて、唯一の接点というか、同時に降り立ったプラットホームが【子ども食堂】だったのだ。だがまた、そこから二人は別の列車に乗って遠ざかっていく。

人類滅亡という危機はそうそうなかった、滅ぶならみんなで、という滅亡のデマも消え、同時にそれを持ち上げる方舟も消え去った。

年代別の事件や事柄をうまく二人の人生に絡ませて、飽きずに読了。少しほろ苦い読後感。

2024年7月8日

読書状況 読み終わった [2024年7月8日]
カテゴリ 小説
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「方舟」を読んで、結構面白かったので続いて同じ作者のこの作品を読む。

前作に続いて旧約聖書モチーフのタイトル。だが、特に事件や登場人物は前作とはとくに繋がりは無さそうに思える。

だが、やはり閉塞された舞台、登場人物は限られた人数のみ、という前作を踏襲された事件の数々でストーリーは進んでいく。

で、今回、前作とちょっと違うのは、読んでいるこちらが早いうちに犯人の目星がついてしまったことである。(必ずしも誰でも犯人がわかるというのでもないし、なぜわかったのかはネタバレになるのでここでは割愛する)

で。
最後まで読んで、「まぁ面白かったけど、前作ほどの衝撃はなかったな」と本を閉じようとしたら、QRコードが印刷されていることに気づいた。

まさに楔を打たれたかのような衝撃を受けたのは、そのQRコードを読み取ったサイト(ある意味、本当のネタバレ)を読んだからだ。

「なるほど」と声が出た。
これは、でも第三作、第四作…と連作シリーズになるのか、それともここで終わりか。
続きを読みたいような、ここで終わりにしてほしいような、そんな複雑な気分。

QRコードのサイトまで含めた「お見事」な作品。

2024年3月30日

読書状況 読み終わった [2024年3月30日]
カテゴリ 小説

ラストの衝撃はネットの評判もかくや、と納得。お見事過ぎる…。

方舟、というモチーフなのもすごく良い。
旧約聖書の方舟は大洪水の広い大海を彷徨うのだが、この小説の方舟はそれ自体が閉じた地中深くにあり、静かに水が満たされていく、というのが対照的。方舟に相対する海や水、といった人を脅かすものが外的環境にあるのか、内包する地中に存在するの違いが面白い。

人が生きる、と言う事には他者の犠牲が伴う原罪がどうしても纏わりつくのだけど、生き残る者と犠牲になって死ぬ者の選別が、ノアの方舟を彷彿とさせる。
ただし、聖書のノアは明らかに選定者だったが、この小説での命の選定者は終盤まで正体不明だ。
そして、その生存者であり選定者は、明らかに正しく「生き残る」ということだけに注視し、至極冷静に淡々とそれに向けて行動を続けていた。
彼(女)(便宜上ネタバレ避けたいので男性か女性かぼかします)の生存戦略は責められるべきなのか、否や。エゴか否か。
ラストまで読むと、「責められない」という方が多いのではないかと思う。いや、「責められない」べきである、という小さな鍵のような仕掛けが実は施されていたのだが…。

その仕掛けも含め、ラストはやはり衝撃を受けた。
だけど、「お見事」と言いたくなる、過不足なく収束させた物語を見れた称賛的な気持ちと、生き残る事への原罪をまざまざと見せつけられた、どんよりした気持ちがないまぜになった、言いようのない衝撃。

極上のイヤミスを読みたい方にオススメ。

2024年2月6日

読書状況 読み終わった [2024年2月6日]
カテゴリ 小説

美しい老後のシンプル節約ライフ。
ものすごくセンスの良い暮らしぶりなんだけど、もともとこの方は若い頃は着道楽で、老後までにいろいろ良い品も悪い品も見てきたからなのかな、と思いました。
自分が老後の時にこんな美しいシンプルライフが出来たらな…と思います。
お金を使わず、知恵とセンスとアイディアで賢くオシャレな暮らしぶりを憧れる方にオススメ。

2023年9月12日

読書状況 読み終わった [2023年9月12日]
カテゴリ エッセイ

持ち物を軽く、情報を軽く、スケジュールを軽く、タスクを軽く、思考と習慣を軽く…。
自分の身の回りや仕事、頭の中を常に整理し軽く保つ事でフットワークが軽くなる、心や気持ちが軽くなる、と言う事らしい。
なるほどな~と思いました。
あと、マルチタスクは非推奨。集中して。

いろんなしがらみで脳疲労が起きるのを防いで心も仕事負担も軽くして人生を充実させようというネアカな本でした。
これだけ徹底出来ればいいなぁとは思いました。

2023年9月12日

桐野さんの長編慣れしてる方はちょっと物足りない読後感かもしれませんが、自分は割と楽しんで読めました。
いつもの長編作品とは違う、ちょっとしたリアリティ(必ずしもきれいななオチがあるわけではないところ)と少しの毒、小市民的な生活の中のエゴとエゴの軽くぶつかるザラリとした感じ、など。
これ1冊だけだと確かに味気なく思うかもですが、長編作品の合間に箸休め的に読むならアリかと思う。

2023年8月17日

読書状況 読み終わった [2023年8月17日]

2018年刊行のものなので、その更に前に執筆をされていたという事を踏まえると、その後の数年で世界情勢や価値観がまた変化していて、この本のすべてが参考になるわけではないけど…。
まあ、内なる自分に正直に、笑って無理せず過ごそうね、という部分には納得。
ファッションに関しては執筆された5~6年前とはまた価値観的な物が多様化しつつあるので、なんとも言えない。
年に関わらず、自分の着たいモノ、着心地の良いモノ着ればいいんじゃないかな、としか。
こういうファッションも含めた師範エッセイ本って、読む方も賞味期限的な物があるなあ、と感じた。仕方のない事だけど。
ファッションも生き方も時代に応じてアップデートが必要なんだな、と感じた。

2023年8月11日

読書状況 読み終わった [2023年8月11日]
カテゴリ エッセイ

原田マハさんの絵画ミステリーホントに好き。
ストーリーも奥深いし、絵画への興味も誘われて2度美味しい。

中でもこの作品は、自分の女としての価値観をターゲットにした男(男の方も聖人とか同性愛者とか、まあ、お断りする大義名分はある)に認められなかった二人の女性(メイベルとサロメ、という時代を越えた2人)が、空恐ろしい復讐を行う、その復讐が演劇や舞踏にまつわる舞台で、ってところに、「やっぱ上手いなぁ~」と思わされてしまうのでした。

史実を事細かに取材したり資料集めて、その点と点を繋げてストーリーにする上手さは、多分私が知る限りこの方がダントツだと思います。

特に今作品は女というものの浅はかな部分とドロリとした空恐ろしさが描かれていて、美しくもゾクリとさせられました。

2023年6月26日

読書状況 読み終わった [2023年6月26日]
カテゴリ 小説
読書状況 読み終わった [2023年5月19日]
読書状況 読み終わった [2023年5月19日]

デビュー作の扱いがマスコミにスキャンダラスに表現されたけど、その後の次々と発表される作品の文章の美しさと人間関係(恋愛も含む)の切なさが好きだった。
作品の印象で未だに尖ってる方に思われがちだけど、このエッセイは年齢を重ねた(もう60代だということにビックリ)円熟味のある読み心地の良い作品でした。
正直に言うと、ポンちゃんシリーズで書かれた何作かのエッセイ集より好きかも(ごめんなさい)。
年齢を経たせいか、宇野千代さんを意識してのエッセイだからなのか、回顧録的な文章が多いけど、あのやんちゃだった山田さんが初老になったとき、どんなふうに人生を省みるのだろう、と思ってた部分もあったので、趣深い1冊。

2023年5月19日

読書状況 読み終わった [2023年5月19日]
カテゴリ エッセイ

読書状況 読み終わった [2022年9月16日]
カテゴリ 小説

読書状況 読み終わった [2022年9月16日]
カテゴリ 小説

ワタシ個人は、特に母性溢れる女性でもなかったし、子供も特にそこまで好きな方でもなく。ただ結婚、出産する機会があったから、普通に子育てして…子育て中もそんなに自分の母性というものに自信もなかったけど、そんな感じでもフツーのお母さんの顔して生活しています(笑)

という自分語りな部分はさて置き。
いわゆる貧困(ただし春を鬻ぐとかそこまでは行かない、プレ貧困層)と閉塞感にあえぐ主人公リキが、多額の謝礼金がきっかけで、サロゲートマザー(代理母)になる、というストーリー。

母性って結局なんなのかなぁ…などと考えつつ読んでいたんだけど、結局のところ、「種族を繋いでいく動物的な本能」なのかなぁと感じました。
なので、この小説の登場人物の中で、一番母性(というか、種の保存欲本能)に溢れている人物は、実は依頼者夫婦の夫の基(もとい)なのではないだろうか、と思った次第です。

バレエダンサーだった基は、はじめのうちは生まれてくる子供の将来像を夢想します。自分の遺伝子から来る才能を受け継いでバレエの英才教育や留学などさせてやりたいと。(まぁ男性のステロタイプな感じですよね)
ただ、ストーリーの終盤あたりで自分の遺伝子を継いでいるかどうかが揺らぎ始めたとき、あっ、これは子供を受け入れずに突っぱねるのかな、と思っていたんですが、彼は受け入れてしまいます。
彼の年齢的な問題(43歳で、子供が成人する、もしくは才能が開花するかを見届けたいので、ギリギリの年齢だと彼個人が思っている)なのかなぁ、と思ったのですが、そうではなかったようです。
この辺りに、なんだか母性うんぬんを通り越した、動物的な種の保存欲、世代をつなぎたいという想いが強く感じさせられました。

子供には無限の可能性が…ってよく言われていますが、あれって、もしかしたら、自分の人生の残りが自覚されつつある中で、自分では出来なかった経験をしてもらいたい、みたいな。なんだろう、人生って、世代って、リレー小説みたいだな、と感じました。

基のこの性格というか変容っぷりは、妻の親友のりりこが全く母性的なものを持っていない女性だったので、一際浮き彫りにされたように見えました。
この、りりこという人物、浮世絵師として性を描くことにはものすごい才能を持ちながら、己の性愛に関しては全く興味がない、というキャラクターを配置させたのはさすがだな、と思いました。

ラストは多分賛否両論あるかとは思うのですが、ワタシ個人的にはスカッとしました。
出産後のリキの謎のイライラですが、たぶん
「こんなに大変な出産(双子で帝王切開)だったのに、自分は繋ぐことが出来ない」
的なことだったのかなぁと。
男女の双子の女の子のほうを選んだのも感慨深いです。

読み終えて思ったのは、人間ってなんやかんやで動物的な本能に後押しされたり支配されたりしてるのかな、ということです。母性と言うには範囲が狭く、エゴと言うにはどこか違う、種の繁栄というよりは、繋ぎたい、自分の人生では見れなかったもの足りなかったものを次の世代であわよくば覗き見たい、という、なんだかうまく言えませんが、無邪気な好奇心みたいなものが。

キャッチコピーの「この身体こそ、文明の最後の利器。」というのは実は反語的な言葉を持ってきたのかな、と個人的には思いました。
人間って難しいです、もっとシンプルに動物みたいに生きれば個体数も増えるのかもしれませんが、ゆるゆると人口が減りつつある今、これも自然の流れなのかもしれませんね。

2022年5月26日

ネタバレ
読書状況 読み終わった [2022年5月26日]
カテゴリ 小説
読書状況 読み終わった [2022年4月8日]
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