ネットで話題になっていたので手に取った一冊。
いわゆる風俗レポ、と思ってエロティックな描写を期待すると肩透かしを食うかもしれません。(あるにはあるけれど、ボリューム的にはさほどないので(笑))

このマンガのキモは「さびしすぎて」というタイトル部分。
なぜこんなにも筆者が寂しかったのか、なぜレズ風俗を選ぶに至ったのか、という葛藤の部分です。ボリューム的にもそちらの部分の描写が多いです。
個人的にはこの部分が丁寧に描かれていたので、興味深く読みました。

たぶん、癒やしと許しと「ぎゅっと抱きしめられたい」他人の体温を感じたかったのかなぁと。
女性である筆者が、対男性でそれを求めると(異性経験がほぼないに等しいので)いろいろとリスクが多い。母親とのエピソード(母親と特にすごく仲良いわけでもないのに、母親の肉体的な柔らかい部分に固執したい)、肉体の暖かさ、柔らかさに包まれたい、となると、相手を女性に限定したレズ風俗、というのは個人的には「あ、そういう考えもあるのか(ひざポン)、こういうのも有りだな」と読んでいて感じました。

単なる風俗レポ、というよりは、自分の内面世界を試行錯誤しつつ切り開き広げていく冒険譚として読むと納得出来るかもしれません。
もちろん失敗エピソードもあるのですが、なにより筆者自身が真摯に正直に描こう、という気持ちが見えるので、手段はどうであろうと読後は
「よく頑張ったなぁ」
と思えてしまいました。

人生の「甘い蜜」を筆者がどうか見つけてくれますように、と思います。

2017年1月30日

読書状況 読み終わった [2017年1月30日]
カテゴリ マンガ
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