沈黙 スペンサー・シリーズ (ハヤカワ・ミステリ文庫)

  • 早川書房 (2005年7月21日発売)
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本棚登録 : 87
感想 : 7
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相変わらず儲けにならなそうな仕事ばかりのスペンサー。今回はホークから人種と性的少数者が絡む案件とスーザンからストーカー案件、2件の依頼が重なる。2つの案件が並行して進む面白さと、仕事とプライベートが混ざっていく複雑さに加え、差別に絡む登場人物達の様々な姿勢が読みどころか。やや技巧的になってる感じもある。差別感情については、感情というよりやや理念的というか「私はこういう立場です」という表明の仕合いで、どう感情的に行動や態度、葛藤が起きるかまだは踏み込んでいない印象だった。
スペンサーとホークの間柄で人種をネタにしたジョークが行き来するのはシリーズの定番だが、シリーズ後半にかけて自分の奥の気持ちを少しずつ表現するようになってきて人間味を増してきたホークが、時に見せる黒人差別の深刻さが今回はあまり表には出てこないか。

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読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2024年11月22日
読了日 : 2024年11月17日
本棚登録日 : 2024年11月17日

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