本書を理解するためには,読者の思考と著者の思考を同期させなければいけない.多くの非線形現象が本書に登場するが,著者は文章でもってこれらを説明することを試みる.これらの文章は,非線形現象のイメージが著者の頭の中で描かれており,それに基づいて作られる.読者は著者がイメージした現象を自身の頭の中で再現する必要がある.
また,6章の「橋」は白眉.異なる原理をもつ2つの現象が実は数学的には等価であるということが述べられている.現在の多くの科学者が枝葉にある多くの現象から幹にある統一原理を探している.しかし,ここでは幹から枝葉へ,枝から異なる木の枝葉へ探求されている.こういった向きの変化はこれからの科学において頻繁に見られるのだろうか.
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- 感想投稿日 : 2008年10月22日
- 本棚登録日 : 2008年10月22日
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