序章で家の中の出来事は全て子供へ移り表層化してしまうことが書かれており、「ドキッ」としてしまった。我が家も若干。。。。ここで引き込まれてしまった。そして、「ふーむ」と考えさせられた。論理展開には強引なところがあるが、それもまた面白い。
具体的には、さまざまな視点から家を見たときの考察が書かれている。
妻の視点からはリカちゃんハウスで遊んでいたことが影響していること、夫の視点からは一軒家を持つという夢の背景にあるものとその現実、子供の家として子供部屋のありかたと狂気に走ってしまう子供部屋について等。
これらの考察から、現代は家を持ったからといって、家族が形付けられるわけではなく、コミュニケーションをとることによって家族をしなければならないと記載されている。昔は家庭内で、仕事も生活も行われていた。従って敢えて家族をすることはなかった、しかし、現在の家族は、家庭でも家庭の外でも個人が別々の場所で別々の時間を過ごすことが多くなり、昔のようなつながりを自然に醸成することができなくなってしまっている。
夫の立場では稼いで家族が安心して楽しく生活できる環境を提供できればよいと考えてい節があったが、それだけではないということを考えさせられた本である。
◆目次◆
序章 失語の家
第1章 女の家
第2章 男の家
第3章 子どもの家
第4章 絆としての家
第5章 夫婦としての家
第6章 恋愛としての家
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2010年1月7日
- 読了日 : 2010年1月7日
- 本棚登録日 : 2010年1月7日
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