猫を抱いて象と泳ぐ (文春文庫)

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本棚登録 : 4191
レビュー : 531
著者 :
yasuackyさん  未設定  読み終わった 

人形を操りながらチェスの盤上に詩を描くリトル・アリョーヒンが主人公です。この本からテーマを読み取るとるのは、私には難しい気がします。

自由とは何か?、自分を表現するということとは何か?、思いを伝えるというとはどういうことか?をチェスを通じて語っているとも言えます。

デパートの屋上に取り残された象のインディラ、身体が大きくなりすぎたチェスのマスター、鳩を肩に乗せたミイラ、そして老婆令嬢等魅力的なサブキャラクター達も登場します。

認知症の母を持つ身としては、エチュード内の様子を現実と重ね合わせながら読まざるを得ないし、かつて思慮深かった老婆令嬢が認知症となってリトル・アリョーヒンの前に現れた時には、予想をしてたとはいえ心が痛みました。

「博士が愛した数式」の中に登場する主人公も、短期記憶しか保持出来ない病に侵されていました。小川洋子氏は外からは窺い知る事ができないインナースペースを描くにあたって、特殊なプロットを用いる事が得意なのでしょうか。数式の美学と、チェスの棋譜が描く美しさに同じようなものを感じました。

レビュー投稿日
2013年3月9日
読了日
2013年3月9日
本棚登録日
2013年3月9日
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