暗夜/戦争の悲しみ (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-6)

  • 河出書房新社 (2008年8月9日発売)
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本棚登録 : 317
感想 : 21
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暗夜はとても不思議な短編集だ。どの作品にも共通するのだが、年代と場所がわからない。特に中国に詳しいわけでもないからなおさらだ。それだけに、というべき、それだから、というべきが、おのずと登場人物達の心象へ集中するのだが、これもまた一筋縄ではいかない作業なのだ。難しい作品ではあるけれど、独特の余韻ののこる世界だと思う。
戦争の悲しみのなかでは、頻繁に時代が錯綜する。意図的にそのように記述されているのは明らかだが、そうしたアクロバティックな手法により、登場人物達の背負う悲しみや孤独が強調される。今のベトナムは平和な国だが、40年もの間続いた戦争とはどのようなものだったのか想像すらできない。南側からみた書物や写真とは違った貴重な記録でっもあると思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2016年3月21日
読了日 : 2016年3月21日
本棚登録日 : 2016年3月21日

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