ものすごくくだらない旅行記のなかに漂い続けている大きなものを喪失した悲しさがこの文章を読ませるものにしている。洒落た文と少し歪んだ視点でインドという魔境の中で作者が、大事な人を失った悲しみとそこから再生していく姿をきっちりと書いている。「坊主の性欲が昇華された結果」や「ネパールから伝書鳩で空輸している男」など途中は読んでいて吹き出してしまいそうになるような箇所も多くあり、ページが少なくなるごとにまだ終わらないでと思ってしまっていた。とりあえず、今すぐインドに行ってみたくなることは間違いない。
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- 感想投稿日 : 2016年2月7日
- 読了日 : 2016年2月6日
- 本棚登録日 : 2016年2月6日
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