アメリカにはもう頼れない 日本の外交戦略の失敗をどう正すか

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  • 徳間書店 (2010年10月29日発売)
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鳩山氏が首相だった頃に普天間基地で問題を起こしたので日米関係が悪くなったのか、民主党のオバマ氏が大統領になったからなのかは分かりませんが、小泉首相とブッシュ大統領の時には、あれほど蜜月であったのにほんの数年で日米関係が変わってしまうのは驚きとともに不安を感じています。

この本の著者である日高氏は日米の軍事について詳しい方ですが、彼が現在の日米関係について警鐘を鳴らしています。尖閣諸島沖で起きた事件も、いつの間にかウヤムヤになっていきそうですが、周辺諸国に対して毅然とした態度を貫くためにもアメリカとの連携が大切だと思っていますが、現在の菅首相にはそれらを踏まえて日本を引っ張っていって欲しいと思いました。

以下は気になったポイントです。

・外交とは自分の国の利益を守るために行う政治であるが、民主党の政治家たちは、国際主義・平和主義・国連主義といった非現実的な理想にとりつかれたままで外交をしている(p13)

・満州国を創り上げた日本に必要だったのは、労働力と資本によって作り出された製品を売る場所であった、それを売るために中国に進出した(p24)

・安い人民元対策を続ける限り、輸入石油の値段は高くなり続ける、中国が年10%成長をできるのは、あと1、2年程度(p37)

・中国共産党は戦いに勝って共産主義国家を設立したものの、紙一重であった、国民党の数百万以上の兵隊は国民の中に紛れた(p40)

・トライデントは、広島に落とされた原爆の一千倍、メガトンクラスの核弾頭を装備している(p86)

・海兵隊の上陸は費用がかかるので、潜水艦や海軍特殊部隊、無人偵察機を多量に投入する体制を確立しようとしている(p91)

・TEAパーティとは、アメリカがイギリスから独立する前、イギリスから輸入するお茶に対して、イギリス総督府が高い税金をかけたことに反発し、ボストン港でお茶を捨てたことにある(p106)

・オバマ大統領はいまや部下たちからも馬鹿にされている、大統領に必要とされる、政治、外交、軍備の常識がないし、言うことが変
わる(p125)

・学校の教職員組合や自動車労働組合、サービス業の組合等が選挙に協力した、その資金でリベラルな学生たちを地元の家庭に戻って投票させた、それによりオハイオ州、インディアナ州で民主党が勝利した(p129)

・2008年の大統領選挙で、3000の郡ある中で、マケイン候補が選挙人の55%を取得した郡は1796,50%以上は413、それ以下だが勝利した郡は70で、合計で2279であった(p130)

・ソーシャルセキュリティは、「聖なる牛」と呼ばれて、歴代の政権も一切手を触れないできた公的年金の仕組み(p147)

・オバマ大統領は、アフガニスタンに住む人が、2300年前にはマケドニアのアレキサンダー大王、近世ではイギリス軍、数十年前はソビエト軍を追い払ったことを知らなかった(p160)

・大統領が替わるとロビイストも替わると考えられているが、政権が替われば企業側が使うロビイストを変えるに過ぎない(p236)

・マッカーサーは天皇制は残したが、皇族を含めて戦争に関わりのあった人は排除した、天皇制存続と平和憲法はセットであった(p257)

・アメリカでは日露戦争時の日本海海戦、真珠湾攻撃、ミッドウェー海戦は、日本人の戦争能力を証明するものとして高く評価されている、特にミッドウェーは紙一重で勝ったと認識されている(p259)

・アメリカが1853年に日本にきた理由として、1)油として使われた捕鯨の基地、2)中国と貿易活動を行うための中継基地、であった(p275)

2010/12/12作成

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 世界経済
感想投稿日 : 2011年8月1日
読了日 : 2010年12月12日
本棚登録日 : 2011年8月1日

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