国債が暴落しても長期投資家は平気だよ

著者 :
  • 日経BP (2015年4月17日発売)
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国債が暴落するという本を初めて読んだのは新入社員の頃だったので、もうかれこれ30年位経つと思います。国債発行額がGDPの2倍に迫りそうな勢いですが、いまだに金利は上がらず、最近ではこのような本はあまり見かけなくなったような気がします。

そんな私がこの本のタイトルを見て興味を持ちました。確かに今まで国債を購入してきた市中銀行が手持ち国債を売り始めて、その代りに日銀が自分で購入している様子で、状況は変わりつつある様に思いますので、これからの国債の動きには注意が必要かもしれません。

この本の著者は、国債が暴落して、その結果として生じる「日本円の信用下落」に備えてどのような手を打っておくべきかについて述べています。直接的には述べていませんが、著者が経営する投信会社のファンドを購入すれば良い、という結論になっていますが、1つの会社で1本のファンドしか保有していないというのは特徴があると感じました。

自分が応援したくなるような会社の株を長期に保有して、目先の利益確定にとらわれない運用方針は私の考え方に合っているなと思いました。

以下は気になったポイントです。

・世界の運用現場で44年以上戦い抜き、1970年代前半の強烈なインフレと債券相場の地獄を乗り切った経験からも、ここは長期の株式投資あるのみ(p4)

・決算時、つまり実際の国債依存度はひどい。2009年は51%以上、この16年間で720兆円発行していて、GDPの1.5倍(p37)

・現在は国債費23兆円のうち、国債発行費用12兆円、利払い費10兆円程度、金利水準が10年もので0.4%なので(p45)

・1654兆円の個人金融資産のうち、現金預金は815兆円、株式関連が203兆円、」保険年金が440兆円程度(’p48)

・1992年9月の総合経済対策費として、10.7兆円の巨額予算を投入して、2010年10月までに合計349兆円を計上した(p54)

・815兆円の預貯金から日本の家計が得る収入は、金利が0.02%なので1630億円程度、これが通常金利ならば30兆円程度になり、それが消費に回れば日本経済には、3%程度の成長要因になる(p61)

・国債、株式市場が暴落しても、人々の毎日の生活はなくなるわけではない、そこが大事であり、長期投資家が最も頼りにしている土台(p91)

・815兆円のうち、民間銀行は600兆円、残りは郵便貯金、ペイオフ制度の資金プールは、1.6兆円程度でありこころもとない(p107)

・さわかみファンドは設定して15年半であるが、その間の成績は、年複利で5.3%(p135)

・2015年度予算では、税収見込み額が企業収益の向上、賃上げ、消費税増税により、1991年(58.8兆円)以来の高い水準(54.5兆円)となったが、それでも37兆円は新規国債の発行が必要(p160)

・米国の人口は3.2億人、二人に一台は必要、耐用年数10年とすると、年間1500万台は更新需要がある(p194)

・日本は産業用ロボットの分野で世界をリードしている、ロボットのみならず、重要部品のほとんどすべてにおいて世界トップレベルの部品産業が国内にある(p219)

・ペリー来航した6年後に石油産業が米国ペンシルバニアで誕生、1859年にドレーク氏が原油採取に成功して、需要は鯨油から石油にシフトした(p223)

・日本のエネルギー戦略としては、藻類から石油を生み出すバイオマスの推進が有望(p227)

・日本の工場において生産性が高い理由は、熟練工ではなくて、生産性をあげられるような小さな工夫が随所にされているから。さらに専用機やロボットを内製化しているのに加えて、高度な技能を学ぶための修練場をつくり更に生産性向上を図っている(p244、245)

2015年5月2日作成

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 資産運用・保全
感想投稿日 : 2015年5月2日
読了日 : 2015年4月30日
本棚登録日 : 2015年4月28日

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