キーリ (5) はじまりの白日の庭 (上) 電撃文庫 (0960) (電撃文庫 か 10-5)
- メディアワークス (2004年7月10日発売)
思い出巡るホーム・シティ…シリーズ第5作
読了日:2007.08.26
分 類:長編
ページ:301P、287P
価 格:各550円
発行日:2004年7月、9月発行
出版社:電撃文庫
評 定:★★★★
●作品データ●
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主人公 : キーリ/ハーヴェイ
語り口 : 3人称
ジャンル: ライトノベル
対 象 : ヤングアダルト向け
雰囲気 : 暗め、幻想、退廃的
結 末 : つづく
イラスト:田上 俊介
デザイン:Yoshihiko Kamabe
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---【100字紹介】----------------------
ベアトリクス捜索のため、噂を頼りに
南ウエスタベリにやってきたキーリ、ハーヴェイ、
ラジオの憑依霊・兵長。植民祭に浮き立つ街で、
思わぬ人物と出会った事から運命の歯車が…
悲しい戦争の記憶を綴るシリーズ第5作
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「キーリ」第5作。上下巻なので5・6巻です。
前作で合流したキーリとハーヴェイですが、今度はベアトリクスとはぐれてしまったので(というか撒いたでしょ、キーリ…(- -;))、そちらの捜索に乗り出しています。
不死人が出たという噂を頼りに第1作で登場したウエスタベリに戻ってきました。奇しくも植民祭の時季。というわけで、今回はラッキーなことに拠点がやってきてくれました、これまた第1作登場の興行団です。
前半はまったりとこの興行団の面々の話が書かれ、それから捜索していた目的の不死人のこと、そして…、あちこちにちりばめられていた「過去の記憶」が一気に浮上してきます。「あの人」に出会ったせいで、何か運命の歯車が動き始めてしまったような。
本作は、いつもにも増して切ないお話ですね。ハーヴェイも兵長も、80年も前に死んでいる人なんだ、と痛切に感じてしまいました。最初から分かってたことのはずではあるのですけれど。色々な思いが交錯して、それが断片的に登場して。初の上下巻ということで、長さがありますが、展開・配列も巧いなあと思います。下巻がやたらアクション小説になってますけど(笑)。
完結まであと3冊。
だんだん先が短くなってきて、読者も何だか切迫感に包まれるような気分です。ああ、どんなことでも、いつか終わりが来てしまうんだ、って。何となく、離れがたい気分…ですが、まだ3冊ある。うん、3冊ある。せめて3冊分、キーリにも、ハーヴェイにも、他の面々にも、精一杯笑って、楽しんで、過ごしていて欲しいなあと思ってしまうのでした。
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文章・描写 :★★★★
展開・結末 :★★★★
キャラクタ :★★★+
独 自 性 :★★★+
読 後 感 :★★★+
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菜の花の一押しキャラ…ハーヴェイ
「お前はなんだってそう昔っからモノの扱いが雑なんだ!
ライター何百個失くした!」 (ヨアヒム)
それはさすがに失くしすぎ。
- 感想投稿日 : 2010年5月11日
- 読了日 : 2010年5月11日
- 本棚登録日 : 2010年5月11日
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